ドル高レアル安の状況を活用すべく、為替益目当ての資金流入量が増えていると、16日付ヴァロールインヴェスチ・サイトが報じている。
ドルは3月にはじめて5レアル台に突入し、5月には5・9レアル台を記録し、その後、5レアルまで戻したが、16日には5・24レアルまで再び落ちた。このドル高状態を活用して為替益を得ようとする人が、外国からより多くの資金を戻す動きが起きているという。今年の1月から4月においては、ブラジルから外国へ流出した金額の約2倍にあたる資金が流入した。
20年1月から4月に流入した金額は10億6千万ドルで、1カ月平均にすると2億6400万ドルとなる。この額は2019年1~4月の9%増で、2010年以降では最高の数字だ。
逆に、ブラジルから流出した額は同じ期間中に5億1800万ドル。月間平均では1億3千万ドルだが、これは19年の同時期と比較すると25%減で、16年以来、最小の数字となる。
これらの動きはレアル安を利用して為替益を得るために行われたと見られる。1~4月期の特色としては、ブロガーやユーチューバーといった、これまでにない職種の人たちがドル建てでの支払い分を国内向けに送金する例や、多国籍企業の従業員たちが持ち株を売って収入増を計ったりする例が目立つという。