ブラジル地理統計院(IBGE)が16日に発表した全国家庭サンプル調査コロナ版(Pnad Covid19)によれば、コロナ禍のため、5月の失業者は約100万人増えて1090万人になり、失業率は11・4%だったと16日付現地サイトが報じた。
5月第1週の失業者は981万7千人、失業率は10・5%だった。失業者は週毎に増え、最終週の失業者は1087万5千人、失業率は11・4%となった。
IBGEによると、既に失職中だったが、経済活動が落ち込んだ事と感染が怖いのとで求職活動を停止した状態の人も1770万人いるという。失業者と求職活動を停止した失職者を合わせると2860万人が、労働市場に戻れずにいる事になる。
5月最終週の数字で見ると、正規雇用で通常の雇用形態での就労を続けていた人は8440万人で、労働可能な年齢の人口の49・7%に止まった。非正規労働者は2900万人で、集団休暇や一時帰休で職場を離れていた人は1456万2千万人、遠隔勤務の人は881万1千人いた。
第1週は集団休暇や一時帰休で職場を離れていた人が1658万9千人いたというから、最終週までに約200万人減った事になる。これは、自動車製造業などが生産を再開した事などを反映している。
他方、在宅勤務などの遠隔勤務者は、第1週の856万9千人から881万1千人に増えた。
非正規雇用者は第1週には2910万人近くいたが、最終週には約87万人減っていたという。
IBGEは5月に、4月の失業率は12・6%で失業者は1280万人と発表していたが、今回発表の数字は、コロナ蔓延で生じた影響をとらえるために別の方法で集計しており、直接比較する事は出来ないという。