ブラジル日本語センターの総会が5月16日に行なわれ、日下野良武さん(くさかの・よしたけ)(熊本県、76歳)の2022年3月までの理事長2期目続投が決定した。役員改選では、日下野さん続投の単一シャッパ(候補者連記名簿)が提出され承認された。
なお、毎年3月に行われる総会は新型コロナウイルスの影響により延期され、5月にオンライン通話アプリ「スカイプ」上で行われた。
理事長続投が決まった日下野さんは、「引き続き、センター及び日本語教育界の向上に努めたいです。今回のコロナ災禍で授業ができず閉鎖を余儀なくされる学校もでてくるでしょう。それが原因で急速に日本語衰退の一歩を辿る危機的状況を回避するよう行動したい」との意気込みを語った。
今期活動の3本柱は引き続き「会員増」「日本との連携強化」「教師育成」となる。さらに「日語教育機関と日本との関係は切っても切れない」と日本との関係強化の重要性を改めて強調した。
日下野さんは日本政府に支援を求めるため、再度訪日することも考えているという。
「コロナ災禍終息後、改めて日本政府に支援を求め、訪日することを考えています。資金面もですが教師を育てる専門家を配備してもらい、恒久的に日語教育向上に対する支援を頼みたい。会員数や生徒数、学校数の増加、都市部だけでなく地域教師の助けにもなればと考えています。先人が作り上げたセンター及び日系社会をなんとしても守らねばと思っております」と熱く語った。
現在の災禍に関して、「今まで経験したことないような災厄の中、皆さん本当に大変だと思います。センターも同じく渦中にありますが、ここは終息するまでじっと我慢です。いつか必ず良い日がくると信じて、また皆さんと一緒に元気に挨拶ができる日がくるのを待ちましょう」と呼びかけた。
同センターが開催予定だった7月までのイベントはほぼ中止となり、8月以降も目処がたっていない。総会では前期及び今期の収支・予算発表や報告、事業報告などが行なわれた。
22年3月までの新役員は以下の通り(敬称略)。【理事会】▼理事長=日下野良武▼総務担当副理事長=高橋正剛ロドルフォ(たかはしせいごう)▼財務担当副理事長=篠原一宇(しのはらいちう)▼教育担当副理事長=志村仁子マルガレッテ(しむらひろこ)、日野寛幸(ひのひろゆき)▼書記=酒本恵三▼会計=沢里嘉男ジョージ(さわさとよしお)
【評議員会】▼会長=諸川有朋(もろかわゆうほう)【監査役会】▼正監査役=清水潔オリ―ジオ(しみずきよし)
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日下野良武さんは日本語センター理事長を務める傍ら、ジャーナリストとして日本の地方紙や業界紙などにコラムも執筆している。2015年には9冊目の本『ブラジル万華鏡~南米大国の素顔と未来~』(熊本日日新聞社)も刊行。熱くてユーモア溢れる独特の文体を持つ日下野理事長の、さらなる活躍に期待したいところだ。