自動車大手フォードが19日、大サンパウロ都市圏サンベルナルド・ド・カンポ市にある同社工場跡地を、建設会社サンジョゼに売却するための調印に応じたと、19日付現地サイトが報じている。
フォードが出した声明によると、売却手続き完了までには約90日間かかるという。サンベルナルド市は今週、5億5千万レアルで売却交渉が進んでいるとしていたが、フォード側は交渉はまだ完結していないとして、言及を避けた。
フォードのサンベルナルド工場は52年の歴史を持っており、ABC地区の経済を支える基盤産業のひとつだったが、昨年2月に閉鎖を発表。同10月にその歴史の幕を閉じた。
同工場の跡地売却については、サンパウロ州政府も含め、各方面から強い関心が寄せられていた。一時は、ヒュンダイ、スバル、チェリーといったアジア車の国内販売を任されているCAOAグループも交渉に名乗りを上げていたが、流れていた。
売却予定先となったサンジョゼ社は、37年間の歴史を誇り、ホテルやショッピングセンター、アウトレットなどの建設も手掛ける建設会社。サンパウロ州やリオ州など、全国10州で幅広く活動を行っている。