一般犯罪も当然起きている。それどころか、全国でもっとも外出自粛が厳しかった今年の4月、ブラジルでは殺人事件が3950件も起き、しかも昨年同月より8%増えた。今年2月は4001件、3月は4151件なので、それに比べれば減っている。だが、外出する機会が激減したのに、殺人件数の方は同じようにならないのは不思議であり、興味深いところ。外出自粛中は家庭内暴力や女性殺人も増えていることを考えると、そのようなコロナ禍のストレスが、外出減の影響を相殺するぐらいに殺人件数増に関係している―ということかもしれない。これからは外出自粛緩和の方向に向かうが、事件の件数はどう変わるか。
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外出自粛が緩和されたことでサンパウロ市のバスが満員になる状況があることは伝えていたが、15日の同市内のバスの乗客は351万5千人で、1週間前の8日と比べて10・24%増えたという。外出自粛令施行前の3月9日の利用者は883万1千人だったから、それに比べれば半分にも満たないが、それでもバスにかなりの人が戻ってきているのは確かだ。コロナの感染者数、死者数はまだまだ多いが、バスの乗客は増えていくばかりか。
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サラ・ウインター、ファブリシオ・ケイロス両容疑者の逮捕に反民主主義行為に対する捜査、ウェイントラウビ教育相の解任。この1週間は、ボルソナロ政権への大打撃が立て続けに起きた。反大統領デモも増えそうな勢いにあるが、大統領とその支持者はこうした流れにどう反応していくか。週末が平穏であることを祈りたいところだ。