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《ブラジル》コロナ死者数が5万の大台超える=感染者数100万突破に続き

サンパウロ市で20日に行われたコロナの犠牲となった労働者追悼デモ(Elineudo Meira)

 【既報関連】19日には感染者の累計が100万人の大台、21日には死者の累計が5万人の大台を超え、地域によっては隔離規制を厳しくしたり、都市封鎖を検討するところも出ていると19~22日付現地紙、サイトが報じた。
 21日夜の保健省発表による感染者数は前日比1万7459人増の108万5038人、死者は641人増の5万617人だった。
 保健省の登録システムに問題があったとの指摘から予測された通り、19日発表の1日の増加数は5万4771人と突出。20日も土曜日としては多めの3万4666人増だった。これにより、14~20日(感染学的統計でいう第25週)の週間感染者増は21万7065人(前週比25・5%増)、死者増は7256人(同17・0%増)となった。
 第24週の感染者は17万7668人(26・4%)、死者は6790人(18・9%)の増加だったから、第25週の増加率はどちらも第24週を下回った。だが、実数は両方共に前週を超え、第24週に続く、週間死者数減少は起きなかった。
 とはいえ、感染者や死者の増加率が低下し始めた事などを反映し、21日現在の回復者数は54万9386人(50・6%)となり、感染者総数の50%を初めて超えた。
 気になるのは隔離緩和後、公共交通機関や商業施設での3密(密閉、密集、密接)が増えている事だ。社会的な距離を維持し、マスクを着用、不要不急の外出は避けるなどの原則の維持が難しくなっている。

 9、10日から商業施設や不動産屋、ショッピングセンターの営業が再開したサンパウロ市では、ブラスなどの商業地区中心に混雑が始まった上、バスの乗客は座席数までに限定との方針が守られず、市交通局長が辞任した。地下鉄も混雑が増した。また、住環境が適切でない上、マスク着用の若者が多数参加するファンク集会なども起きている郊外の貧困層地区を中心に感染者や死者が増える傾向が加速し、先週の感染者は55%増えた。サンパウロ市の死者の7割は郊外在住者だという。

サンパウロ市で行われたコロナの犠牲となった労働者追悼集会で(Elineudo Meira)

 サンパウロ州では内陸部での感染拡大も懸念材料で、19日にはマリリアとレジストロの2地方への隔離緩和基準の厳重化(第2段階から第1段階へ)が発表された。
 ベロ・オリゾンテ市などが5月から隔離緩和を始めたミナス州では、週間感染者数が6691人(32・5%、率だけ見ると前週の38・0%より低下)増、死者数は182人(40・1%、前週の86人、23・4%より上昇)増を受け、都市封鎖まで検討中だ。
 連邦直轄区では、デモ増加などのせいか、人口あたりの医師数全国一という恵まれた条件にも関わらず、21日現在の感染者発生率は100万人あたり1万1020人で全国5位、一時は死者の週間増加率が70%を超えた。だが、週末のデモによる人混み回避のため、省庁前広場を封鎖する措置を3週連続で採用したこともあり、感染者の週間増加率は2週連続で50%を割った。