日伯国会議員連盟(麻生太郎会長)が、海外移住の日と日系ブラジル人定住化30周年を記念した表彰式を18日15時から、衆議院第二議員会館1階(東京都千代田区)で行った。当日は関係者が集まり、幅広い分野で活動して日本社会へ貢献した在日日系ブラジル人30人の功績を称えた。1990年に施行された改正入国管理法により、日系三世とその配偶者が定住できる在留資格を得た。本年で30周年をむかえる。
30人の表彰者代表として選ばれた照屋エイジさん(サンパウロ州出身、三世)は「在日ブラジル人の日本社会に対する感謝と展望はとどまることはなく、今後も、日伯の紐帯は、緊密かつ永久のものとなると確信しております」、そう堂々と謝辞を述べた。
照屋さんはデカセギ訪日した母と共に8歳から日本で暮らす。名古屋大学で法律を学んだのち、司法試験を合格。18年に日本の司法修習を修了、名古屋市内の法律事務所で弁護士として勤務する。
照屋さんは弁護士の仕事を通じて「多くの在日ブラジル人が日本での生活を気に入り日々を過ごしている」ことを強く感じ「母も日本の風土を大変気に入り、各地で日本食の調理に勤しんでいる」と日本への深い愛着を語り、「私も在日ブラジル人に開かれた弁護士として、日伯の懸け橋となることを祈念して今後とも尽力していく所存です」との展望を語り、開催者や関係者に深い感謝の言葉を述べた。
式にはエドゥアルド・パエス・サボイア駐日ブラジル大使、ジョアン・デ・メンドア・リマ・ネト在東京ブラジル総領事、近藤紀文外務省中南米局南米課長、田中克之公益財団法人海外日系人協会理事長らが来賓として招かれ、西森ルイス伯日国会議員連盟会長よりビデオ出演で祝辞の言葉が届けられた。
式では「日伯交流125年と在日ブラジル人コミュニティの30年」のビデオも上映された。
表彰者30人は以下の通り。田所トミオ(歌株式会社TMK代表取締役社長)、井上アメリア(NPO法人MAIKENメンバー)、吉原アンデルソン・シルバ(サントス・デゥモン保育園長)、イシ・アンジェロ(武蔵大学社会学部教授)、村永祐二((株)IPCワールド代表取締役社長)、山口カルロス彰男((株)セラード珈琲)、篠田カルロス進(教育者、作家)、石川クラウジオ(ミュージシャン)、田平デシオ誠(H&B Japan(株)代表取締役(CEO))、内山ジエゴ((株)SPOTTED代表取締役(COO))、島田英治(株)アバンセコーポレーション代表取締役社長)、青木フランシスコ松夫(株式会社スーザン代表取締役)、ジョン増子利栄((有)セルヴィツー・アセソリア代表取締役)、今井譲治(株式会社イマイ代表取締役)、水川清(社会福祉活動家)、志伊良レアンドロ正彦((株)進正電代表取締役)、三島リリアン(NPO SMJ(S.O.S Mamães no Japão)代表)、吉田ルイス(司法通訳士)、弘中マルセロ(HIRO WORLD 合同会社 代表)、ラモス・マルコス(ミュージシャン)、ギマ・マリオ(SSWブラジル(有)代表)、金城ナヤラ・ナツミ(NPO法人ブラジル友の会理事)、斎藤和浩((株)晃和代表取締役)、パウロ・セザール・デ・リスボア((株)ムンディアルフーズ代表取締役)、照屋エイジ(弁護士)、田井リカルド・ヒロキ((有)日伯友愛代表取締役)、富沢チエコ((株)ラ・フォンテーヌ代表取締役)、川崎俊広((株)友電設代表取締役)、半田バネサ(ビジネス・コンサルタント)、斎藤俊男((株)ティー・エス代表取締役)
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この度表彰されたのは日本で様々な分野で活動する30人だ。弁護士である照屋さんの他に、通訳・翻訳者、大学教授、社会福祉支援を行うNPO法人や人材派遣業、起業した人も数多い。中には作家やミュージシャン、ポ語メディアを起こした人などが表彰者に選ばれており、実に様々な方面で在日日系ブラジル人が頑張っていることがわかる式典だ。