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《ブラジル》コロナ禍で食生活に変化=太った、やせた、そのまんま

コロナ禍は食生活や食習慣にも変化を生じさせている(Divulgação/Pexel)

 コロナウイルスの感染拡大抑制のため、外出自粛令が出たりした事で、食生活や食習慣に変化が生じた人が多数いる。
 通勤・通学中は外食が多かったが、在宅勤務やオンライン授業に切り替えられ、自宅で食事を取るようになったため、健康的な食生活になったという人もいる。
 だが、家にいる時間が長くなり、ついつい食べ物に手が伸びる、不安やイライラを食べてごまかす、外に出なくなったために運動量が減ったが、食べる量は変わっていないなど、様々な理由でパンデミック前より太った人もいる。体重が増えた人は回答者の23%で、増えた体重の平均は2・6キロ。最も太った人は12キロ増えたという。
 デリバリーなども利用はしたが、自宅で食べる事が増えたため、家族で一緒に調理したりして楽しんでいるという家族もあれば、家政婦が来なくなった(来る回数が減った)分、メニューが乏しくなった、脂肪分が多いメニューが増えたという家庭もある。
 3月19日までと、3月20~6月6日の摂取量を比べたところ、摂取量が増えた上位16位には、ブラウニー(234・2%増)やエスフィハ(232・8%増)、パン(143・1%増)、エンパダン(122・3%増)、チョコレート(106・1%増)、パステル(103・2%増)などが並んでいる。
 5月末に保健省が行った、全国で2千人以上を対象とする電話調査によると、食生活や食習慣が変わったという人は、10人に4人いたという。
 食生活や食習慣の変化が良い方向に向かうか、悪い方向に向かうかは、同じ夫婦でも違う時がある。主婦のクラウジア・ファッチマ・レイスさんは以前から、バランスの取れた食事を心がけ、週2回、スポーツジムでの運動も行っていたが、外出自粛でジムに行けなくなった上、夫や子供が常に一緒にいるため、時間外に何かをつまむ、朝食にもジャムやパンケーキを並べるようになるなどの変化が起き、3~4キロ太った。美容院に行けなくなった事や、外出する機会が減り、化粧をしなくても良くなった事などで、外観やセルフイメージを維持しなくてはという意識も薄れてきたという。

 だが、在宅勤務となり、毎日、家の周りを5キロ走るようになった夫のロジェリオ・ヴァルガス・レイスさんは、外食が減り、食事時間も一定になった事も手伝って、体重を維持している。
 また、貧困家庭の場合は、学校や職場で出されていた給食などが食べられなくなった事に、失業や時短・所得カットなどによる所得減が重なり、食材不足などに陥る例がある。このような場合、食事のバランスが崩れ、食べる量が減る事による体重減少や貧血なども起こりやすくなる。
 貧困家庭では、食材は買えても、中流家庭や上流家庭ほど栄養などの知識がなく、炭水化物や脂肪分、糖分の多い食材を選ぶ傾向があり、バランスの取れた食生活を保つのがより難しいという側面もあるという。
 外出自粛は段々緩和されているが、隔離緩和即レストランの営業再開ではないし、営業再開後も入場者数を制限せねばならないといった影響は残るため、当面は、自宅で食事する人がパンデミック前より増えた状態が続きそうだ。(22日付エスタード紙などより)