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《ブラジル》公金で反民主主義デモを支援?!=大統領派4下議が割当金使い=ユーチューバーに支払い

ビア・キシス下議(twitter)

 ボルソナロ大統領も時々参加し、3月以降断続的に行われてきた「反連邦議会・反最高裁」を主張する反民主主義デモに、約15万レアルの公金が使われていたことが判明し、それを支払った連邦議員の名前も報じられている。22日付現地サイトなどが報じている。
 反連邦議会・反最高裁デモなどの反民主主義デモに関する捜査(家宅捜索)は、今月16日に行われた。最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事は、デモを煽ったサイトやユーチューブ・チャンネルなどに公金提供が行われたか否かを調査するため、ボルソナロ派の連邦議員11人の銀行口座の情報公開も命じた。
 その結果、ボルソナロ大統領の側近らがデモの模様を報じさせるために公金を使っていたことを、連邦検察庁がつきとめたことが22日に報じられた。
 同日付CNNブラジルなどによると、数百万人が閲覧する親ボルソナロ派のユーチューブ・チャンネル「フォーリャ・ポリチカ」と「フォコ・ド・ブラジル」は、デモにおけるボルソナロ大統領の演説などを流すことで、大統領支持者からの支援金や閲覧料、広告収入など、計15万7千レアルを受け取っていたことが、押収された書類や明細書などによって明らかになったという。

 グローボ紙は同日、これらの公金の一部は大統領が所属していた社会自由党(PSL)の下院議員4人の議員割当金から使われていたことを連邦検察庁がつきとめたと報じた。同紙によると、問題の下議はビア・キシス、ギガ・ペイショット、ジェネラル・ジラン、アリーネ・スレウジェスの4氏だ。
 これらの公金は、ボルソナロ氏が結成準備中の新党「ブラジル同盟」所属の広告業者セルジオ・リマ氏のIT関連会社に支払われていたという。彼は、反民主主義行為の捜査の際、主要人物の一人として家宅捜索を受けた。
 モラエス判事は同日、反民主主義行為に関する捜査を許可するための材料となった詳細な情報も明らかにした。同判事によると、この日の情報開示は「同件の捜査に関する不完全な情報が大量にマスコミに流れているため」だという。
 モラエス判事は、捜査対象となった政治家などのネット上での発言を削除することも禁じた。削除を禁じられた発言の中には、アレ・シウヴァ下議(PSL)の「軍政令第5条(AI5)や軍事介入は国民の切実な声」なども含まれる。
 反民主主義行為の捜査対象となった人物は21人。極右サイト「テルサ・リーヴレ」主宰者でブロガーのアラン・ドス・サントス氏をはじめとする捜査対象者らは、今月だけで約2100件のユーチューブ動画を削除していた。これらの動画の大半は、一斉捜査が行われた16日~今週末に削除されたという。