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《ブラジル》深まるケイロス妻への疑惑=ボルソナロ家スキャンダルに関与

マルシア・アギアル容疑者(twitter)

 大統領長男フラヴィオ上議のリオ州議時代の職員で、18日に逮捕されたファブリシオ・ケイロス容疑者の妻マルシア・アギアル容疑者(現在逃走中)が、夫のラシャジーニャ疑惑をはじめ、ボルソナロ一家のスキャンダルをさらに悪化させる可能性が出てきている。24日付現地紙などが報じている。
 マルシア容疑者に関しては23日午前中、親戚がいるミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテで家宅捜索などが行われた。彼女に対する逮捕令状は、ケイロス氏が逮捕された18日に出ているが、行方をくらまして逃亡中だ。
 ケイロス容疑者が統括していたとされるラシャジーニャ疑惑において不正振込を行ったフラヴィオ氏の職員の中でも、マルシア容疑者は最高額の存在であったことが明らかになっている。
 ケイロス容疑者は2007年から18年に、リオ州議会内でフラヴィオ氏の秘書室職員としてつとめていた。この期間中、他の11人の幽霊職員から、判明しているものだけでも200万レアル以上のキックバックの振込みを受けていたが、そのうちの45万レアルがマルシア容疑者によるものだった。
 マルシア容疑者は2007年から17年まで、フラヴィオ氏付の職員として9207レアルの月給を受け取っていた。マルシア氏が職員を辞めた際に職責を引き継いだのは娘のエヴェリン・マヤラ氏で、6370レアルで採用された。ケイロス夫妻の他の2人の娘も、実質的な勤務形態のない幽霊職員だったと見られている。

 マルシア容疑者には、ケイロス容疑者がラシャジーニャ疑惑をかけられて失踪していた2019年に、複数の筋から金銭授受を受けていた疑惑も浮上している。検察はこれらの金は、家計を支えるためのものだったのではないかと見ている。
 そのうちのひとつが、ケイロス氏が癌治療でサンパウロ市アルベルト・アインシュタイン病院に入院した後に支払われた17万4千レアルの現金だ。
 マルシア氏は、今年の2月に捜査中に殺害されたリオのミリシアの大物アドリアーノ・ノブレガ氏が逃走中に、同氏の一家と連絡を取っていたことも明らかとなっている。アドリアーノ氏の母ライムンダ氏と妻のダニエレ氏もフラヴィオ氏の幽霊職員で、職員期間中に計100万レアルほどの収入を得て、うち40万レアルほどをケイロス容疑者にキックバックしている。
 これらのことは、昨年押収されたマルシア容疑者の携帯電話の情報から明らかとなっている。ケイロス容疑者を一年ほど別宅にかくまっていたことが発覚したボルソナロ一家の元弁護士フレデリック・ワセフ氏からは、携帯電話の使用をやめるよう、彼女は注意されていたこともわかっている。
 ケイロス容疑者は逮捕当日、娘に電話をかけ、妻に連絡をとるよう命じた。マルシア容疑者の弁護士は22日に、リオ州地裁に人身保護令の適用を申請している。