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《ブラジル》原子力公社巡る疑惑で捜査=ルーラ時代の鉱山動力相

ラヴァ・ジャット作戦のイメージ(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 25日早朝、ラヴァ・ジャット作戦が敢行され、ルーラ政権時代の鉱山動力相(2005〜07年)だったシラス・ロンデアウ氏(民主運動・MDB)らが捜査対象となった。25日付現地サイトが報じている。
 「フィアット・ラックス」と銘打たれた捜査は、シラス氏が鉱山動力相をつとめていた頃に起きた、原子力発電公社エレトロヌクレアールを中心に展開された贈収賄工作に関するものだ。不正入札疑惑がふりかかったために、シラス氏は07年に鉱山動力相を辞任している。
 今回の捜査は、2017年に逮捕されたMDB元ロビイストのジョルジェ・ルス氏とその息子のブルーノ氏が、パラナ州連邦地裁で行った報奨付供述に基づいたもので、エレトロヌクレアール関連では5件目の摘発作戦だ。
 それによると、シラス氏は自分が所有する企業を通して、エレトロヌクレアールの事業計画で収賄を行った疑いが持たれている。連警はこの日、リオ市にあるシラス氏の自宅などの家宅捜索を行ったが、本人は不在で、身柄拘束はできなかった。

 アニバル・フェレイラ・ゴメス元下議(民主党・DEM)にも、300万レアルの収賄容疑で逮捕令状が出された。同氏は今月上旬、最高裁第2小法廷の審理で、資金洗浄と収賄の容疑で有罪との判決を受けていた。同氏と同じく収賄で有罪となったエンジニアのルイス・カルロス・バチスタ・サー氏も今回の捜査対象となった。
 昼までに合計4人が逮捕されており、その一人は、エレトロヌクレアール元総裁のオトン・ピニェイロ氏の娘のアナ・クリスチーナ・トニオロ氏だ。
 今回の捜査対象にはデンマークやカナダ、フランスに本社を置く企業も含まれており、捜査班は既に、各国検察庁の協力を求めている。
 エレトロヌクレアール関連の疑惑では、テメル前大統領も昨年4月に告発され、いったんは逮捕されたが、その後に釈放されている。