日伯援護協会(援協、与儀上原昭雄会長)の足立操事務局長が70歳になったために、4月13日をもって定年退職した。それに伴って前園マルセリーノ武弘事務局次長(58、二世、ブラガンサパウリスタ出身)が「事務局長代理」に昇格した。
コロナ禍の影響で足立元事務局長は、3月から長らく自宅待機の状態だった。前園さんはクアレンテナ中も出勤して通常の事務業務に加え、コロナ関係の電話相談もこなしている。
前園さんは1999年3月に援協に就職し、最初は社会福祉部の受付として働きはじめ、事務局事務を経て、援協傘下の高齢者養護施設「サントス厚生ホーム」で住み込みのホーム長を1年半経験したという。
「住み込みの部屋はお年寄りの部屋と隣でしたね」と懐かしそう回想した。12年に再び本部の事務局にもどり、次長になっていた。
援協傘下施設のコロナ対策の様子を尋ねると、厚生ホームやイッペーランジアホーム、サクラホームなどの高齢者施設を初め、援協傘下の関連福祉施設からは、今のところ感染者は出ていないという。
「3月から感染防止対策として、施設には入居者家族も含めた来訪者を入れないようし、施設職員は出勤時の手洗い・検温の徹底をおこなってきた。特にイッペーランジアホームでは、施設入り口に消毒シャワーの設置や靴裏の消毒、服の上にカバーをつけるなど厳重体制をとっている」とのこと。
その中で、全施設職員にマスクやフェイスシールド、服カバーなどの感染防止衛生防具を配布し、その経費が膨らんでいるという。「マスクの値段がコロナ前の5倍になったこともありました」と振り返る。「福祉施設は元々赤字だったが、コロナで更に経費が膨らんでいる状態だ」と説明した。