ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が26日、2011~20年のブラジルの経済は、「景気後退の10年間」で、1980年代を超える「失われた10年」となると発表した。
FGVブラジル経済研究所(Ibre)のマルセル・バラシアノ氏の試算によると、国際通貨基金(IMF)が先日発表した今年のブラジルの国内総生産(GDP)は前年比で9・1%のマイナス成長という予測が的中した場合、11~20年のブラジルのGDPは0・3%のマイナス成長となるという。
IMFは今年のブラジルのGDP成長率は、最低でも120年間で最悪としていたが、その事はバラシアノ氏の試算でも明らかになった。
これまでのブラジルの10年毎のGDP成長率は、1901~10年と1911~20年4・2%、1921~30年4・5%、1931~40年4・4%、1941~50年5・9%、1951~60年7・4%、1961~70年6・2%、1971~80年8・6%と続く。
最初の「失われた10年」にあたる1981~90年の成長率は1・6%で、その後は、1991~2000年2・6%、2001~10年3・7%と、再び成長軌道に戻っていた。
2011~20年は0・3%のマイナス成長となるというのはIMFの成長見込みを基にしたもので、22日に発表された、国内の金融機関関係者による景気動向調査「フォーカス」の成長見込みの6・5%を基にすると、0・1%のマイナス成長となる見込みだ。
景気後退の程度は異なるが、いずれにしても、120年間で最大の落ち込みと、10年単位では初のマイナス成長は避けられそうにない。
IMFのデータを基にして試算した2011~20年の成長率は、中国6・7%、インド5・4%、新興国全体4%、ペルー3・2%、コロンビア3%、世界全体2・7%、チリ2・3%、メキシコ1%、ロシア0・8%、南アフリカ0・5%で、ブラジルは、新興国、世界、BRICS、南米のどのレベルで見ても、経済活動低下が目立っている。(26日付G1サイトより)