ボルソナロ大統領は25日、新教育相としてカルロス・アルベルト・デコテッリ氏を指名した。25、26日付現地紙、サイトが報じている。
18日に退任したアブラアン・ウェイントラウビ前教育相の後任に関しては、同氏同様、極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の教え子の名がいくつか候補にあげられていた。だが、かねてからオラーヴォ派との折り合いが悪い連邦政府内の軍部派が、それに難色を示していた。
そこで海軍予備役で、昨年の2~8月に国立教育促進基金(FNDE)の会長を務めていたデコテッリ氏を軍部が推薦し、大統領が受け入れた。
デコテッリ氏はボルソナロ政権の大臣としては初の黒人で、3人目の教育相となる。保守派として知られ、極右的なイデオロギーとも共振する部分がある人物であったことから、オラーヴォ派も納得したという。
前任のウェイントラウビ氏は、大学で講師を務めたことがあるものの、元々は金融業界出身だったため、指名当初から問題視されていた。その点、デコテッリ氏は将校訓練などを目的とする海軍戦争学校で教鞭をとっていた経験がある。リオ州立大学で経済学を専攻、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)で修士課程、ロザリオ大学(アルゼンチン)で博士課程をおさめ、ヴッパータール大学(ドイツ)で別の博士号を取得している。
基本的に経済畑の人脈であることから、全国学生連合(UNE)からは今回の人事に疑問の声があがっているが、一部大学教授からは「今までの大臣よりはかなりマシ」と評価するコメントがメディアに出ている。
デコテッリ氏がFNDE会長時代に、ブリンク・モビルという企業が公立校への教材支給の入札で問題となり、同社社長が19年12月に逮捕されるというスキャンダルが起こっている。
6月1日にはボルソナロ大統領が、中道勢力セントロンの大物でラヴァ・ジャット作戦でも被告になっている進歩党(PP)党首シロ・ノゲイラ氏の側近をFNDE会長に指名するなど、気になる動きもある。