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《ブラジル》南からバッタ、北からサハラ砂塵=養分豊富だが健康懸念も

バッタが食い荒らしたアルゼンチンのトウモロコシ畑(Divulgação/Senasa)

 ブラジル南部ではアルゼンチンからバッタの大群の襲来懸念が続く中、北部ではアフリカ北部のサハラ砂漠からの砂塵到来が起きようとしていると26日付現地紙サイトなどが報じた。
 アルゼンチンを襲ったバッタの大群は、トウモロコシやキャッサバ(マンジョッカ)などに甚大な被害をもたらしながら移動しており、ブラジルとの国境まで130キロ足らずの所まで来ているが、寒冷前線の影響で動きが鈍るなどして、ブラジルは素通りする可能性もあるようだ。
 だが、ブラジル農務省やサンタカタリーナ、南大河の両州政府関係者は、最後まで気を抜かないよう、農業生産者達に警告を発している。また農務省は、必要ならば害虫駆除のための農薬散布にも応じる姿勢を見せている。
 一方、サハラ砂漠からは毎年、1億トンに上る砂塵が吹き上げられ、欧州や米州にも到達する。アマゾン川流域の土壌はこの砂塵がもたらした養分が大きく影響していると言われる。

砂塵で曇った空の下で写真を撮る観光客(メキシコのカンクンで、26日付G1サイトの記事の一部)

 米州大陸への砂塵は既に、メキシコやカリブ諸国に到達し始めており、25日にはメキシコ政府のコロナ対策担当者が、「砂塵は2・5~10ミクロンで、鼻や口から吸い込むと気管支や肺まで入り込むから注意するように」と呼びかけた。
 世界保健機関(WHO)によると、今年の砂塵は例年より濃度が高い上、様々な埃やバクテリア、ウイルス、重金属類などを一緒に運んでいる可能性があるため、喘息その他の慢性的な呼吸器系疾患を持っている人は特に注意が必要だ。
 専門家によると、砂塵は近日中にブラジルのパラー州、アマゾナス州などの南米北部、中米、米国などに到達する見込みだという。