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自粛中にブラジル初床屋

綺麗に刈り上げられた後頭部

綺麗に刈り上げられた後頭部

 サンパウロ州政府が外出自粛を発令し、早くも3カ月が経とうとしている20日土曜。オーリャ子はこの間に伸びた前髪や襟足にイライラしていた。元々短髪で、自粛令以前は月に一回こまめに散髪をしていた。
 コロナ感染が怖かったが、我慢も限界になり自宅近くのブラジル人が経営する散髪屋に初挑戦。ポルトガル語ができないオーリャ子は、希望の髪型の写真を見せた。
 店員は「TODO BEM(わかった)」とだけいいバリカン片手に、ちゅうちょ無く側頭部や後頭部、うなじ辺りの髪をどんどん切り落とす。
 聞くと、この道30年の大ベテランとか。値段は一人15レアルと手頃な価格。自粛中で営業禁止のはずだが、堂々と闇営業しているらしい。
 そんな話をしているうちに、後頭部と耳まわりの髪がある程度切れてさっぱりし、次は前髪と頭頂部。バリカンを置き、刃を変えたカミソリとつげ櫛を手に取る。
 櫛で髪をすくい上げカミソリで「ショリショリショリショリ…」と削ぐように髪を切る。これには思わず、「なんてワイルドな切り方!」と心の中で唸る。
 そして人生初のブラジルでの床屋が終わった。見せた写真よりもかなり短めの出来上がりだったが、値段も安く、それなりに様になっていて満足だった。(淀)