民主主義こそが理想的な国の統治方法だと思っている国民が過去最高の75%に達しており、国民の7割近くが「フェイクニュースで連邦議会や最高裁を脅すことは犯罪だ」と考えていることが、ダッタフォーリャの最新の世論調査で判明した。27~29日付現地紙が報じている。
23~24日に全国2016人を対象に行った調査によると、国民の75%が「民主主義が統治の理想」と考えており、「独裁政権が理想」と考えている人は10%のみ。「どちらも変わらない」と考えている人も12%にとどまった。
これは、19年12月に同じ質問を行った際、民主主義を理想とする人が62%だったのと比べて大きく数字を伸ばしただけでなく、1989年の初回調査以来、最高の数字となった。コーロル大統領の罷免運動が盛り上がった1992年2月には、民主主義を支持していた人は42%しかおらず、軍政支持者が23%いた。
「1964年からの軍事政権は独裁政権か」の問いには、78%が「はい」と答え、「いいえ」の13%、「わからない」の10%を大きく上回った。
「軍事政権がもたらしたもの」に関しては、「負の遺産」と考えている人が62%おり、「国に益をもたらした」と考えている人の25%を大きく上回った。
ただし、ボルソナロ大統領の支持者の場合、43%が「軍事政権は良い側面が多かった」と感じていた。全体の平均では軍事政権支持者は12%のみだったが、富裕層では36%が支持しているなど、社会階層によって評価が分かれることもわかった。
今回のダッタフォーリャ調査では、最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事の責任の下で捜査が進められている連警「フェイクニュース捜査」や「反民主主義行為捜査」に関しても質問を行っている。
それによると、ボルソナロ大統領自身も参加した「連邦議会や最高裁の閉鎖を呼びかけるデモ」は、民主主義にとっての「脅威」と感じている人が68%おり、「脅威ではない」の29%の倍以上となった。「それらを呼びかけるネット上の言動」も、66%が「脅威」と感じている。「脅威とは感じない」は31%だった。
「政治家や最高裁判事に関する虚報」に関しては、それを更に上回る81%が「脅威」だと感じており、「感じない」は17%にとどまった。「連邦議会や最高裁の閉鎖を呼びかけるデモは脅威でない」とした人は、富裕層で59%、ボルソナロ政権支持者で48%おり、どちらも平均値を大きく上回った。
ただ、「虚報は民主主義を脅さない」と思っている人はボルソナロ支持者や富裕層でも少なく、前者で34%、後者で29%に過ぎなかった。
今回の結果を受け、ロドリゴ・マイア下院議長は28日、「多くの人が制度的な挫折(民主主義の後退)を許さないことがわかり、嬉しい」と喜びを表したが、「21世紀になってもまだ、民主主義について議論しなければならないのかと思うと悲しい」とも語った。