18日に逮捕された、ボルソナロ大統領とは旧知の仲の退役軍警のファブリシオ・ケイロス容疑者が、報奨付供述(司法取引、デラソン・プレミアーダ)に応じるつもりで検察と交渉をはじめたと、26日付現地サイトなどが報じている。
ケイロス容疑者は大統領長男フラヴィオ上議がリオ州議時代の職員で、同僚らの給与を議員またはその代理人の口座に振り込ませて公金を着服するラシャジーニャに関与した疑惑で逮捕された。犯行が10数年間に及んでいること、ケイロス容疑者がフラヴィオ氏の私的経費の支払いを現金で行うなど、資金洗浄の疑いがあること、幽霊職員が大統領前夫人のクリスチーナ氏の一族をはじめとしたボルソナロ家の親類とリオのミリシアの大物だった故アドリアーノ・ノブレガ氏の一族などで構成されていたこと、アドリアーノ氏がケイロス一家の逃走を助けた形跡があることなどから、ケイロス容疑者がデラソンに応じれば、ボルソナロ大統領やフラヴィオ氏に大きな痛手になると、かねてから予想されていた。
ケイロス氏がデラソンに応じることにしたのは、妻や娘に危害が及ぶのを恐れたためだという。ボルソナロ大統領やフラヴィオ氏の前弁護士で、ケイロス容疑者を1年以上にわたってかくまっていたフレデリック・ワセフ氏によると、ラシャジーニャ疑惑の表面化後、ケイロス氏を暗殺し、その責任をボルソナロ一家になすりつけようとする計画が浮上していたという。