【既報関連】新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染者数が140万人を越え、死者数も7月1日には6万人の大台を超えることが確実になった。だが、政界ではコロナ感染症の大流行で私腹を肥やす汚職行為があった事を示す動きも続々と出ていると6月29、30日付現地紙、サイトが報じた。
6月30日夜の保健省発表では死者1280人(計5万9594人)で7月1日には6万人の大台越えは確実となり、感染者は3万3846人で早々と計140万2041人を越えた。
コロナウイルス感染症は重篤な気管支系疾患や心臓疾患、脳血管障害、腎臓疾患なども引き起こし得る厄介な病気で、肺がやられた人には、抗生物質や炎症治療薬、抗血栓剤などの薬剤や人工呼吸器などが必要となる。
コロナ感染が広範かつ急速に広がり、人工呼吸器や人工呼吸器装着時に必要な筋弛緩剤や麻酔薬が不足する現状は、現場の医師や保健行政担当者らの頭痛の種となっている。患者によっては2週間も人工呼吸器を必要とする例もあり、人工呼吸器が足りず、誰の命を救うかという重たい決断を迫られた医師達もいる。
その一方で、人工呼吸器購入を巡る不正も後を絶たない。6月26日付G1サイトによると、パンデミックの期間中に人工呼吸器を購入した州は24に上り、6998台の人工呼吸器が発注された。だが、6月25日までに納入された人工呼吸器は44%の3088台のみ。人工呼吸器の単価も4万~22万6千レアルと差が大きく、購入契約破棄や会計監査後の差し止めも生じている。
人工呼吸器を巡る汚職疑惑はリオ州やパラー州でも取沙汰されたが、6月30日にはアマゾナス州で、ウイルソン・リマ知事や州政府、州保健局関係者らを対象とする家宅捜索・逮捕令状も執行された。令状を出したフランシスコ・ファウカン連邦高裁判事は、知事を含む個人や法人に対する13件297万6千レアルの資産凍結も命じた。連警はリマ知事の逮捕令状も要請したが、ファウカン判事は知事逮捕は時期尚早と判断した。
同州での不正は、人工呼吸器を購入した企業がワイン輸入業者に248万レアルで売却、この業者はそれを297万6千レアルで州政府に売り、その差額を保健局関係者らに還元するという流れで行われていた。同州が購入した人工呼吸器は28台、水増し請求額は49万6千レアルに及ぶ。連邦検察庁は、知事の関与の度合いやその他の不正の有無も調査中だ。
人工呼吸器購入を巡る不正疑惑は、各州の会計監査局が設置した会計検察が調査している。
サンパウロ市ではパカエンブ臨時病院の最後の入院患者2人が6月30日に退院。同病院はこれをもって閉鎖され、人工呼吸器を含む各種資材は公立病院に寄贈される。