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野口在聖総領事が7月帰朝=「日本で日系人の活躍発信する」

野口総領事

野口総領事

 「ブラジルで一番心に残っているのは、やはり移民110周年に眞子内親王殿下にお越し頂き、訪問先の日系社会との交流を間近で拝見できたことです。皇室はブラジル日系社会にも目を向け、日系社会からも皇室に対する尊敬の念が深いことを実感させられました。相互の絆は本当に根強いと思います」。帰朝が決定した野口泰在サンパウロ総領事(やすし)(54、山口県)は任期中の思い出をそう語った。
 6月21日付で帰国命令が発令され、7月末に帰朝するという。野口総領事は2017年10月に着任。18年の眞子内親王殿下ご来伯の際には、初めてサンパウロ州の奥地、マリリア、プロミッソン、平野植民地、アラサツーバなどに足を運ばれ、そのお膳立てや調整役の大任を担った。
 野口総領事は現在、新型コロナの日系社会への影響について懸念し、「コロナ災禍による日系社会の今後が心配です。これまで日系団体は色々なイベントを企画し、県人会等の施設や人件費など、1年にかかる費用を賄い維持してきました。この度の災禍で各イベント中止になり、施設や団体維持も大変だと思います。そういった面も含めて一刻も早くコロナが終息して、以前のように再開できるように願っています」との心情を吐露した。
 さらに「高齢者は外との接点がないと精神的な健康を保つのが難しいです。先日、サンベルナルド・ド・カンポ文協で、若手が中心になり高齢者向けにオンラインカラオケを企画していることを耳にしました。これからはSNSやインターネットに詳しい若者が、高齢者が家でも元気になるようなイベントを作って心のケアをしてほしいですね」と述べた。
 日系団体に関して「ブラジルの日系社会の大きさは、現地にこないと体感できません。日系人がこれまで蓄積してきた努力と貢献を心の底から尊敬しています。帰朝後も、日系社会が日々活躍し評価されていることを発信していきたいです。一刻も早くコロナを克服し、若い世代を巻き込みながら活発に活動できるよう心より願っています」と熱く語った。
 帰朝後は外務省本省勤務の予定。後任に関しては「そう長く待たずに来るのでは」との見通しを語った。


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    ◎
 本来なら多くの日系団体代表が集まって盛大に野口総領事送別会を開催するところ。今はコロナ災禍のために、日系代表団体により野口総領事の送別会をオンライン上で開催するという。たしかにオンラインなら遠い地方からでも、距離を感じずに参加できる。後任が来るころには、普通に歓迎会ができるようになっていて欲しいものだ。