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《ブラジル》コロナ死者6万人超、感染者3日に150万人超へ=危機中にも検査キット購入で不正疑惑

抗体検査をする様子(Governo de São Paulo)

 保健省の1日晩発表では、新型コロナ死者は1038人増で計6万632人となり、初めて6万人の大台を越えた。感染者も4万6712人増で計144万8753人となった。2日晩発表では、感染者合計は149万6859人となり、3日発表では間違いなく150万人に到達することが明らかになった。
 そんな危機的な状況を悪用する不正購入疑惑が、人工呼吸器に続いて、検査キットでも生じている。
 ウイルス検査キット不正購入に関する捜査作戦「擬陰性(Falso Negativo)」が2日早朝、連邦直轄区(DF)に加えて7つの州(ゴヤス、リオ、サンパウロ、パラナ、サンタカタリーナ、バイア、エスピリト・サント)で発動された。2日付G1サイトなどが報じた。
 捜査関係者によると、DF保健局の職員は当初、国際的に定評のある抗体検査キッドを高値で購入する見積もりを出して承認を受け、その後、評価の低い中国製などの低価格品に差し替えるという手口で差額を不正に生じさせていたという。その結果、陽性なのに陰性との偽結果が出ることが多いキットが高額で大量に購入されたという。
 「偽陰性」作戦は、連邦検察庁の組織犯罪対策課と各州の市警が協力して実施された。捜査対象者の中には、DF保健局のイオハン・アンドラーデ・ストルック事務局次長、ジョルジ・アントニオ・シャモン・ジュニオールDF中央研究所理事も含まれている。
 イバネス・ロッシャDF知事が非常事態宣言を発令していたため、これらは入札無しに購入されていた。過大請求によるDF政府財政への被害は、購入総額7400万レアルのうち、約3千万レアルと推定。詐欺、談合、犯罪組織、汚職、資金洗浄、カルテルなどの可能性がある犯罪と見られている。
 同作戦は20以上の都市で74の捜索令状と押収令状を出しており、DF中央研究所、中央薬局、DF保健局、購入責任者の自宅などが対象になっている。

 DF保健局は、「すべての検査品は寄付を介して受け取ったり、保健省から送付されたほか、国家衛生監督庁(Anvisa)の証明書があるなど、政府機関によって承認されている」と説明。価格の報告について同事務局は「市場価格で表している」とし「購入については提示されたブランドと品質証明書や、入札で提示された企業の低価格を評価した」と話している。
 連邦直轄区では2日、前日からの24時間で新型コロナウイルス死亡者数は33人となった。直轄区全体では620人が死亡し、5万人以上が感染。そのうち3万9714人(78%)がすでに回復している。直轄区で最も人口が多い地域であるセイランジアでは119人が死亡し、感染者の総数は6763件と6月中に512%上昇、感染が拡大している。