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《サンパウロ州》郵便局の遅配が深刻化=コロナで苦情が昨年の5倍

遅配が問題となっている郵便局

 サンパウロ州内の郵便局による「配送遅延」や「配送がされない」といったトラブルへの苦情が、昨年の同時期と比べ5倍になっていると7月3日付のエスタード紙が報じている。サンパウロ州内の消費者保護センター(Procon-SP)の調べによると、昨年3月から6月にかけて郵便局への苦情件数は216件だったが、今年の同時期の苦情件数は1151件に急増している。
 この問題に関してフロリアーノ・ペイショット郵便局総裁は「従業員への感染拡大を予防するための人員削減の影響」と説明している。郵便局に勤務する職員9万9千人のうち、1万8400人が遠隔勤務となっている。そのうちの1万3300人が郵便配達員や運転手だ。遠隔勤務へ移行している職員は、感染重症化が高い疾患を持つ60歳以上や妊娠中もしくは授乳中の女性職員だという。

 郵便局員が構成する労働組合からは84件もの労働訴訟が起きており、感染防具の配布、感染防止策の施行や、職員への感染検査、配送センターの閉鎖等を求められていた。訴訟の結果、30箇所の配送センターにおいて7~10日間の閉鎖が実施され、物流により大きな悪影響が出ている。
 ペイショット総裁は「現在調整を行っている。従業員を感染のリスクに晒したくはないが、サービス維持のための努力は行っている」とエスタード紙の取材に対して釈明している。リオ州をはじめ他州の郵便局でも、多かれ少なかれ、同様の状態になっているという。