ボルソナロ大統領は3日、同日付の連邦政府の官報で、ショッピング・センターなどの商業施設や教会、バスやタクシーなどの公共の交通機関でマスク着用を義務付ける法案に対して拒否権を発動した。先日、大統領本人が、連邦直轄区の連邦裁判所からマスクの着用の義務付けと違反の場合の罰金支払いを命じられたばかりだが、それへの反抗か。ただし、大統領本人がいくらマスク着用を禁じても、150万人を越えたコロナ感染者と6万人を超える死者の前に、大統領に賛同する人がどれだけいるか・・・。もはやコロナ対策に関しての自身の対策の甘さを認めずに開き直っているようにしか見えないが、今回の判断も司法判断でひっくり返されてしまうか。
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サンパウロ州よりも一足先に、リオでは2日にバーやレストランが再開した。さっそく、リオ市きっての繁華街レブロン地区では、夜に群衆が群がった。中にはマスクもせずに、あたかもコロナ禍が存在しないかのように騒いで楽しんでいる人の光景が、ニュースなどで映し出されていた。これでは「コロナ感染のぶりかえし」以前に、宴の席でのマスク遵守派と反マスク派による乱闘事件の方が先に起こってしまいそう。いずれにせよ、飲食店の警戒は必要といえそうだ。
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週が明ければ大サンパウロ市都市圏でも本格的にバーやレストラン、美容院の営業再開がはじまる。州が定める外出自粛規制緩和の第2段階までとは比べ物にならないくらい、日常がだいぶ戻った感じがすることだろう。本当にそれで良いのか気になるところ。その分これからは、「マスク着用」「人の群れには近づかない」「帰宅時の手洗い・うがい」など各人の自衛の心構えが大切になりそうだ。