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《ブラジル》教育相選びがさらに難航=大統領の本命は指名拒絶

レナト・フェデール氏(twitter)

 ボルソナロ大統領が指名しようとしたレナト・フェデール氏に就任を断られたことで、6月18日のウェイントラウビ氏解任以降、教育相選びがより混沌としてきた。6日付現地紙が報じている。
 ウェイントラウビ氏の解任以降、ボルソナロ大統領は6月25日に次期教育相として、元全国教育開発財団(FNDE)会長のカルロス・アルベルト・デコテッリ氏を指名。デコテッリ氏もさっそく教育相としての抱負を語るなど、就任式直前まで行っていた。
 その後、デコテッリ氏の経歴にあった2つの大学の博士号が存在しないことが大学側から発表されたことや、大学教員や退役海軍としての肩書にも疑惑が生じるなどのスキャンダルが浮上したことで、6月30日にデコテッリ氏が自ら辞表を提出。教育相選びは振り出しに戻っていた。
 その後、ボルソナロ大統領は、パラナ州教育局長のレナト・フェデール氏の指名に向けて動いた。同氏はウェイントラウビ氏解任時からボルソナロ氏が教育相に希望していた人物だった。
 それは同氏が、大統領が接近中の中道勢力セントロンの社会民主党(PSD)の所属だったためだ。だがボルソナロ氏の政敵ジョアン・ドリア・サンパウロ州知事に近い人物だったことから、一度は流れていた。それがデコテッリ氏の就任が立ち消えになったことで、大統領が再びフェデール氏就任に動き、2日に直接連絡をとった。そのため、指名公表は秒読みと見られていた。

 だが、ボルソナロ氏の周辺では、極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の一派や、福音派たちが「我々の価値観とは異なる」という理由で反対していた。さらに、メディアがフェデール氏に関して「将来的に教育省廃止を是認する論者」との報道を流し、世間からの反発も強くなっていた。
 5日、フェデール氏は自身のツイッターで、「大統領から就任の打診はあった」と認めながらも「丁重に断り、パラナ州の仕事を継続する」として、就任を正式に断った。