連邦検察庁が6日、リカルド・サレス環境相の解任請求を司法判断の形で求めた。7日付現地紙が報じている。
今回の連邦検察庁の解任要請は裁判手続と同様、裁判所に対して行われる。これが一般人の場合なら、地裁での1審から、という形になるが、サレス氏の場合は大臣職であるため裁判特権(フォロ)が認められ、最高裁で「大臣としての責任」が問われることになる。
環境省は6日、今回の検察庁の判断を「政治的判断」として批判を行っている。検察庁がサレス氏解任を求めた理由は、大きく分けて4つあるとしている。
ひとつは「環境法の緩和」だ。これは、4月22日の連邦政府の閣議でサレス氏が行った「世間の注目がコロナ禍に集まっている間に、環境法を緩めたい」との発言が公開され、社会問題に発展していたことも関連する。
2つ目は環境問題を見張る役割の専門の委員会が廃止されたりしたことで「情報の透明性が薄れた」こと。3つ目は予算のごまかし、4つ目は監査のごまかしだ。3つ目と4つ目に関しては、国立再生可能天然資源環境院(IBAMA)やシコ・メンデス研究所(ICMBio)などの機関に関しての疑惑を指している。こうした機関では不適切な人事も行われているという。
森林伐採削減のための陸軍の協力姿勢も、サレス氏の下ではかなり不足していることを、検察庁は指摘している。
サレス環境省は、昨年8月に法定アマゾンで大規模な森林火災が発生した際、消火活動や森林伐採削減に消極的な姿勢を見せたためにボルソナロ大統領と共に国際的な批判の矢面に立たされた。所属していた政党・ノーヴォからも除名処分を受けている。同氏はサンパウロ州環境局長を務めていた際にも違反行為を起こして裁判の被告にもなっている。