8日、家電販売大手「リカルド・エレトロ」の創業者、リカルド・ヌーネス氏が巨額脱税の容疑でサンパウロ市で逮捕された。9日付現地紙が報じている。
今回のリカルド氏の逮捕は、ミナス・ジェライス州の税務局と同州の検察局、市警の合同捜査によるもので、14の捜査令状が出されていた。
リカルド氏はサンパウロ市にいるところを逮捕され、娘のラウラ氏もベロ・オリゾンテで逮捕された。
ミナス・ジェライス州の発表によると、リカルド氏は8年間ものあいだに3億8700万レアル分の税金のごまかしして支払っていなかったという。今回の捜査の担当者によると、リカルド氏の手口は、商品にかけられる18%分の商品流通サービス税(ICMS)を販売価格に課税していたにもかかわらず、その税金支払いを国税庁に行わずに横領していたという。不正に略取した金は不動産投資などに使われていた。この不動産購入などの際の名義には、ラウラ氏をはじめ、リカルド氏の兄弟や80歳になる母親の名前が使われていたという。
検察官は、リカルド容疑者の資産6千万レアル分の凍結を命じているが、情況から判断して、同容疑者の資産はその額を遥かに超えるものと見られている。
ヌーネス家の弁護士によると、すでにラウラ氏は事情聴取を受けた後に釈放されているという。同弁護士によると、リカルド氏は今後、詳しい事情説明を行うであろうとのことだ。
リカルド・エレットロによると、ヌーネス一族は2019年に経営権を別会社に譲渡しており、現在の社の体制とは無関係であることを主張している。
リカルド氏は、2022年の大統領選への出馬が有力視されているグローボ局の司会者、ルシアノ・フッキ氏の友人として知られ、担当番組や自身のSNSでフッキ氏が同容疑者をたたえたことも何度かあった。