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コロナ禍=世界の飢餓死48%増予想=格差社会ブラジルでも懸念

ゼロハンガープロジェクトのパンフレットを持つ元FAO理事のホセ・グラツィアーノ氏(Fotos: Ricardo Stuckert)

 国際協力団体オックスファム(Oxfam)は国連のデータに基づき、2020年内に世界の飢餓による死亡者数が1日あたり3万7千人に達し、48%増になるとの予測を8日に発表したと9日付エスタード紙が報じた。
 同団体の調べによると、世界の65%が食糧危機の状態で生活しており、特にアフリカの紛争地帯や中東に集中。ブラジルやインド、南アフリカなどでも飢餓人口増加の懸念があり、対処が必要だとオックスファム・ブラジル支部のプログラムマネージャー、マイトー・グアト氏は訴える。
 パンデミックによる経済への悪影響は今後も長く続くとみており、困窮者に収入や雇用への支援を継続しなければ「何百万人の人々を極度の貧困と飢餓に追いやることになる」とマイトー氏は警鐘をならす。

 多くの困窮者は支援の情報や登録申請などのために必要な携帯電話やインターネット環境といった手段がなく、支援が行き渡らずにいることも指摘しており、対策を講じる必要がある状態だ。
 オックスファムは2014年からブラジルに飢餓が発生していると発表している。ブラジルの飢餓について元国際連合食料農業機関(FAO)理事のホセ・グラツィアーノ氏は流通に問題があるとし、「私たちは大量に生産し輸出しています。問題はどのようにして食品を人々に届けるかです」との見解を示し、生産量の問題ではなく、物流の不均衡、社会格差に問題があると語った。