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京都府亀岡市=マスクでジャンジーラ市支援=コロナ収束願い姉妹都市へ=日本全国から約1万枚集まる

ジャンジーラ市に贈る9641枚のマスクを前に。

ジャンジーラ市に贈る9641枚のマスクを前に(市役所フェイスブックより)

 【亀岡発】「早く収束し、また行き来できれば」。サンパウロ州ジャンジーラ(Jandira)市と姉妹都市提携を結ぶ京都府亀岡市が、5月下旬から約1か月の間に約1万枚の手作りマスクを集めた。感染拡大に苦しむジ市を支援しようと、市民らに呼びかけたもの。七夕を過ぎた日本から、短冊ならぬマスクに願いを込めブラジルへ思いを届ける。

 ジャンジーラ市はサンパウロ市から西に32キロ、人口12万5人。姉妹提携は1985年に締結。両市に所在する大本教が仲介役となって交流が始まった。
 京都府亀岡市には大本本部亀岡宣教センターがあり、ジャンジーラ市には2004年に同教団の愛染堂が建設された縁がある。これまで市制記念などの節目に親善団の往来があり、今年、提携35周年を迎えている。
 6、7月ごろにその記念訪問団を予定したが、コロナの影響でキャンセルになった。こうした状況や感染拡大に苦しむブラジル情勢に憂慮し、亀岡市側が「何か手助けできないか」とジ市に問い合わせたところ、出た答えがマスクだった。
 ちょうどその頃日本では、布製の手作りマスクが認知・普及し、品薄だった既製品も流通するように。支援企画「手作りマスクで姉妹都市サポートプロジェクト」を立ち上げるに至った。
 地元紙電子版にも呼びかけの記事が掲載されたことで、遠くは北海道など全国から寄せられた。布製の手作り品を中心に、最終的にはのべ259の個人・団体から9641枚が集まった。
 担当した亀岡市国際文化課の小塩睦子課長、服部理恵子さんは「当初は千枚くらい集まれば、と思っていた。予想を超える寄付があって驚くとともに、大変ありがたかった」と感謝した。亀岡の人口が9万人であることを踏まえれば、想像以上の数といえそうだ。
 現在は免税手続きなどを進めており、早急に発送する構え。梱包された段ボールには「ともに頑張りましょう」などと、ポ語でメッセージが添えられた。桂川孝裕市長もビデオメッセージで、「また会える日を楽しみにしています。フォルサ、ジャンジーラ!」とエールを送った。
 コロナに配慮しジ市側での贈呈式などは未定。職員らは「早く収束してほしい。お互いにまた行き来できれば。これからも交流を深めたい」と願った。(小倉祐貴通信員)