地理統計院(IBGE)は10日、6月の広範費消費者物価指数(IPCA)が2カ月間のデフレから0・26%の物価上昇に転じたと発表したと10日付エスタード紙が報じた。物価の上昇はリオデジャネイロ州とサンパウロ州の燃料価格高騰による影響だと見ている。
物価指数はこの2カ月間、新型コロナウイルスの影響による経済麻痺から、4月はマイナス0・31%、5月にマイナス0・38%にまで下降していた。
しかし6月にガソリンが3・24%高騰した事によりし物価上昇に転じたと見ている。
ブラジルみずほ銀行ルチアーノ・ロスターニョ戦略部主任によると経済の緩やかな回復は「インフレによるリスクを引き起こしにくい」と見ている。「生産余剰能力を維持したまま待機状態となっており、今後数カ月はインフレ値を低く保つはずだ」との見解を示しており、物価指数は20年末に1・6%、来年21年末に3・0%との予測をだしている。
さらに、ロスターニョ主任は8月の通貨政策会議で経済基本金利(Selic)が年率2・25%から0・25%引き下げられ年率2・0%となる予測を出している。
一方、ロベルト・カンポス中央銀行総裁は「もう一段階、金利を切り下げる前に、経済再開が物価に与える影響をしっかりと見極めないといけない」との慎重論を唱えている。
燃料費高騰以外に、医薬品や肉の価格上昇
も物価上昇への一因となっている。ドル価格上昇の影響で家電製品、テレビ、音響機器、コンピューターの機器の価格も引き上げられている。
地理統計院による一般家庭消費傾向では、家庭用品の消費が6月内に最も多く、価格変動の要因となる統計が示された。