新型コロナウイルス感染拡大から4カ月が経ち、各企業は資金不足と負債を返済できない財務上の問題を抱えている。コンサルティング会社ボアビスタSCPCの調査によると、6月は前年同期比で会社更生手続き(recuperação judicial)の依頼件数が44・6%、破産件数が71・3%増加した。エスタード紙14日付が報じた。
2005年に制度化された会社更生手続き法は、裁判所から破産宣告を受けないまま、企業活動を休止せず、経営状態を回復させることを支援する法的な枠組み。新型コロナウイルスの感染拡大後に申請が増加している。
6月末に約4千万レアルの負債を抱えて破産した紳士服チェーン店のファット・ア・マノ社は、自粛措置でほぼすべての収益を失ったことで、債権者から圧力を受けていた。 同社の担当弁護士によると、企業活動を継続するために同社は法的保護(proteção judicial)を選択したとし、今後、こうした企業の会社更生手続き依頼数は年末までに4倍になる見通しだという。
ガルジーノ&コエーリョ社のフラビオ・ガルジーノ弁護士は、コロナ禍の最大の影響は9月と10月に来るとし、リスクが最も高い分野は観光業と小売業であると見ている。
経済学者によると、今回のコロナ危機の経済的な解決策は不明であるとし、感染拡大前の経済レベルに戻るのにどれだけの時間を要するかは誰にも分からないという。隔離措置が行われている娯楽関連業種や観光、レストランなどでも経済問題が深刻化しそうだ。
そうした中で新型コロナウイルスの影響を最も受けているのが中小企業だ。12カ月平均で破産申立ての93・4%、会社更生手続き申請(pedidos de recuperação judicial)の94・2%を中小企業が占めている。
ボアビスタSCPCエコノミストのフラビオ・カライフ氏は、「これらの中小企業は資金繰りに問題があり、市場での信用獲得が難しくなっている」と指摘。「大企業なら最低でも3カ月分の日常経費を賄える内部留保を貯めている。それに対し、零細・中小企業はそんな長期間、収入なしでも持ちこたえられる資金を持っていない」と話す。
エメレンシアーノ・バッジオ&アソシアードス社のセルジオ・エメレンシアーノ弁護士も「内部留保が少なく、担保としての資産がない中小企業で、破産はより多く発生する」と述べている。
ボアビスタSCPCの調査によると、過去12カ月間の会社更生手続きと倒産した企業のもう一つの特徴は、中小企業でほとんどがサービス業に集中していることだ。昨年6月から現在までに行われた破産申し立てのうち、約40%がこの分野に関係。裁判所による倒産のうち、サービス業が45・2%を占め、会社更生手続きでは同分野が59・8%を占めている。