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《ブラジル》大統領が再検査でもコロナ陽性=Hクロロキン服用で回復主張も=「推奨していない」と迷走

13日のボルソナロ大統領(twitter)

 ボルソナロ大統領は15日、新型コロナウイルスのPCR再テストの結果を発表し、7日と同様「陽性」であったと発表した。大統領は自らが推奨していたヒドロキシクロロキンを服用していた。16日付現地紙などが報じている。
 大統領は15日、大統領官邸から動画を流し、「14日の午前にPCR検査を受け、夜には結果が出た。また陽性だった」と報告した。これは一部には意外な結果でもあった。
 大統領は6日、38度の熱を出し、疲労感も強かったことからPCR検査を受け、7日に陽性反応が出たと発表した。この際、コロナを一貫して軽視し、マスクもせずに群衆に繰り出していた今までの行為が国際的に批判された。
 陽性反応を公表したビデオの時点で大統領は「昨日よりはるかに気分がよくなった」と、かねてから推奨していたヒドロキシクロロキンを服用したことをアピール。業務は隔離状態で行われているが、その都度、体調が良いことをアピールする姿が映し出されていた。
 そうした姿に加え、大統領がこのときも診断結果を直接的には見せていないこと、ミシェレ夫人をはじめ、感染発覚前の数日に接触した40人以上がPCR検査を受けた結果、陽性反応者が3日に大統領と会っていたサンパウロ州工業連盟(Fiesp)のパウロ・スカッフィ会長のみだったことから、「本当に感染しているのか」とまで囁かれていた。

 大統領は3月以降、PCRテストを3回受けすべて「陰性」の判定とされていた。3月には大統領が咳きこむ姿が頻繁に見られたことや連邦政府内でコロナ感染が大流行していたこと、大統領が診断結果を見せようとしなかったことなどから感染が疑われていた。
 効用が確認されず、強い副作用があることからコロナ治療薬としては世界保健機関(WHO)から推奨されていないヒドロキシクロロキンを、大統領はかねてから「コロナ感染の初期症状の患者から服用させたい」とする発言を繰り返していた。
 だが、15日のビデオで大統領は「推奨などはしていない」とこれまでの発言を急に撤回し「効用は証明されていないかもしれないが、私にはたしかに効いたんだ」と熱が引いたことなどを引き合いに出して弁解した。 
「推奨はしていない」という発言は、14日に連邦会計検査院(TCU)が大統領に対し、ヒドロキシクロロキンの宣伝行為をやめるよう命じたことが背景にある。
 大統領はさらにビデオの中で「だれが正しかったかは歴史が決めることだ」とも発言した。