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《ブラジル》最高裁が連警にFBデータ捜査を許可=「嫌悪部隊」実態が明らかに

モラエス判事(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領の関係者や社会自由党(PSL)とつながりのあるフェイスブックやインスタグラムのアカウントが先週大量削除された。最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事は15日、連邦警察に対してそのデータを同社から提供を受けて捜査に使うことを認めた。16日付現地紙などが報じている。
 今回モラエス判事が認めたのは、2つの捜査に関係している。ひとつは、反連邦政府・最高裁など「反民主主義的」とされる抗議運動の組織と資金援助に対するもの、もう一つは、最高裁判事に対してのフェイクニュース拡散行為に対してのものだ。
 フェイスブック社は8日、伯国の35のフェイスブックのアカウント、14のページ、ひとつのグループ。ならびに38のインスタグラムのアカウントを削除した。それらは大統領、大統領長男のフラヴィオ上議、三男のエドゥアルド下議、PSLの2人のリオ州議、アンデルソン・モラエス氏とアラナ・パッソス氏と関係したものだった。選挙時の政敵への誹謗中傷や虚報、ミーム(冗談画像)の拡散などを行ったアカウントとして問題視とされていた。

 このフェイスブック社の件に関しては、フェイクニュース捜査線上にあがっていなかった広範なものが含まれていたため、両院のフェイクニュース議会調査委員会(CPMI)でも内容公開を求める声が挙がっていた。この件の内実が明らかになると、連邦政府内にあると噂される、非合法に誹謗中傷情報を拡散する「憎悪部隊」の実態が明らかになる可能性がある。 
 モラエス判事絡みでは、14日に連邦検察庁が、同判事に対して威嚇行為を行なったとされるオトニ・デ・パウラ下議(キリスト教社会党・PSC)が連邦検察庁から最高裁に起訴された。同下議は6月17日と7月5日に、ネットの生放送などでモラエス判事に関し「権力乱用」などの批判を何度も繰り返して、暴力的な行為を示唆していた。同下議は連警のフェイクニュース捜査の対象になり、銀行口座の公開などの処分に遭っている。