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《サンパウロ州》アウキミン前州知事を起訴=選挙時の2度の収賄容疑で=セーラ氏に続きPSDBに激震

アウキミン氏(Wilson Dias/Agencia Brasil)

 連邦警察のラヴァ・ジャット作戦班は16日、ジェラルド・アウキミン前サンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)を起訴した。アウキミン氏には選挙時の収賄と資金洗浄の容疑がかけられている。17日付現地紙が報じている。
 連警によると、アウキミン氏は2010年と14年のサンパウロ州知事選に際し、建設大手のオデブレヒト社から、合計で1千万レアルを超える不正献金をカイシャ・ドイス(裏帳簿)を通じて受けとった疑いがあるという。
 この容疑で、アウキミン氏と共に担当弁護士のセバスチャン・エドゥアルド・アウヴェス・デ・カストロ氏、PSDBの会計担当のマルコス・モンテイロ氏も起訴された。
 今回の捜査は、2017年から始まっていた、オデブレヒト社上層幹部によるアウキミン氏に関する司法取引(報奨付証言)に基づいているという。
 一人目の証言者、カルロス・アルマンド・パスコアル氏によると、2010年の際に同氏はアウキミン氏と直接に賄賂の取引を行ったという。「打ち合わせの現場に行くとアウキミン氏が側近に対し、同氏の義兄にあたるアジェマール・リベイロ氏の預金カードと連絡先を差し出させ、そこに支払いを行うように指示した」といい、200万レアルを実際に支払ったという。アジェマール氏は今回、70歳を超えていることを理由に起訴されなかった。
 さらにもう一人の証言者、ベネジクト・ジュニオル氏によると、14年の選挙の際にはマルコス・モンテイラ氏を仲介役として、830万レアルを支払ったという。

 連警捜査官は、すでに証拠となる資料を証言者たちから入手済みだという。
 すでに起訴状はサンパウロ州の連邦検察局に届いており、検察がこの起訴状を元に今後、これをお蔵入りさせるか、告発を裁判所に求めるかを決めることになる。
 アウキミン氏は18年の大統領選で落選後、公職についておらず、裁判特権(フォロ)を失った状態。だが、サンパウロ州知事だったときに起きた事件であることから高等裁の管轄になるか、選挙関連の容疑でもあるために選挙高裁扱いになる可能性もある。
 ラヴァ・ジャット作戦ではこれまで、PSDB関連の捜査が他政党に比べて少ないことが、しばしば指摘されてきた。だが今月3日には、同党サンパウロ州支部の大物の元知事、元大統領候補のジョゼ・セーラ氏に対し、知事選の際の不正献金や高速道建設に伴う賄賂を国外の秘密口座で受け取ったとする収賄・資金洗浄容疑の捜査が始まったばかり。流れが変わってきているようだ。
 アウキミン氏をはじめ、今回起訴された3人の弁護士は「不正な捜査であり、名誉を毀損する内容だ」として強い抗議を示した。さらに、アウキミン氏を政界入りの恩人と仰ぐジョアン・ドリア・サンパウロ州知事も「必ずや無実が証明されると信じている」との声明を出している。