【既報関連】前サンパウロ州知事の大物政治家、ジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)がサンパウロ州知事選に際しての収賄、資金洗浄、二重帳簿の容疑で、聖州連邦検察局から選挙版ラヴァ・ジャット案件として告発を受けた。裁判所が告発を受理すれば、アウキミン氏は正式に被告となり法廷で争うことになる。23日付現地サイトが報じている。
17日付本紙既報の段階では、2010年、14年の知事選の際のアウキミン氏の疑惑に関して連邦警察が起訴したところまでを報じた。その起訴を、今回はサンパウロ州検察局が受け付けて告発の段階に発展した。あとは、裁判所が受理するかどうかの判断を待つばかり。
検察局によると、アウキミン氏は2010年と14年のサンパウロ州知事選で、建設大手オデブレヒト社から、それぞれ200万、930万レアルの賄賂を受けたという。この容疑により、アウキミン氏は収賄、資金洗浄、二重帳簿など容疑で訴えられている。
PSDBの会計主任のマルコス・モンテイロ氏、アウキミン氏の元側近のセバスチアン・エドゥアルド・アウヴェス・デ・カストロ氏も告発された。
今回の告発は、オデブレヒト社の上層部の人物による報奨付証言(司法取引)に加え、サンパウロ市地下鉄の会長だったセルジオ・ブラジル氏による証言も考慮されて行われた。
それら証言によると、まず2010年にアウキミン氏は義兄のアジェマール・セーザル・リベイロ氏を仲介して収賄を行なっていたという。そのときにアウキミン氏が使ったコードネームは「ベレン」だったという。アジェマール氏は今回、70歳を超えていることから告発を免れている。
2014年に関しては、モンテイロ氏を介して、合計で11回の振込がオデブレヒト社から行われていたという。
「違法の支払いの交渉が行われたとされる日に、モンテイロ氏の携帯電話とオデブレヒト社のルイス・アントニオ・ブエノ・ジュニオルの電話が繋がっていたことが、電話の情報公開による調べで明らかになった」と検察局は述べている。
これらの支払いは、アウキミン氏の献金として報告されていないことに加えて、オデブレヒト社も10年と14年に関しては公式には選挙献金を行なっていない。それは同社が、10年は聖市のドン・ペドロ高速道の運営にかかりっきりで、14年には地下鉄6号線のコンソーシオへの参加で資金がないとしていたからだ。
今回の告発に関してアウキミン氏は「警察組織がこの件に関して私にろくに聞きもしないうちに一方的に進められた」と不満を表し、批判した。
一方、連邦警察は、オデブレヒト社幹部からの証言のみならず、電話での通話内容やスカイプでの会話記録、書類の存在など十分な証拠があると主張している。
PSDBでは21日に、アウキミン氏と同じくサンパウロ州知事経験者で2度の大統領選出馬経験のあるジョゼ・セーラ氏が、収賄容疑による2度めの捜査を受けたばかりで激震が続いている。