iフード、Rappi、ウーバー・イーツなどのアプリ配達員によるスト「ブレケードス・アプス」が1日に行なわれ、賃上げとコロナウイルス感染防止対策を求めてサンパウロ市内で約1千人が7時間に及ぶストを行った。その後アプリ配達員への労働環境改善が見られたかをフォーリャ紙が23日付で報じた。
男性(38)は「昼食をとるのも難しい」とアプリからの契約解除を恐れ匿名で応じた。背負うサーマルバッグにはレストラン「Outback Steak House」から注文を受けた131・89レアル(約2850円)の料理が入っている。
この配達料は7・99レアル(160円)で、彼はハムとチーズのサンドイッチを自転車にまたがったまま10分のうちに食べる。自分たちが配達するような料理を口にする機会はまれだ。
多くの配達員は12時間から14時間配達業務に追われ、1カ月の平均収入は940レアル(約1万9千円)だという。
配達員は、アプリ運営会社との雇用関係がないため労働法に守られず、法定最低給与(1045レアル)に満たない金額で、満足な防疫保護具もない危険な就労状態のまま、コロナ禍で自宅待機する人々や飲食業界を支えている。
彼ら自身の食事は道端で、サンドイッチやクラッカーやスナック、冷たい弁当を食べることが大半だ。栄養士のルイーザ・アメンドラ・マスカレナス女史は「運動量の多い人にはカロリーが不足している」と指摘する。
iフードは15日以降、配達員への支援拠点を設置する体制を整えていると説明している。「場所により水やアルコールジェルほかシャワーを設置、スナック類やコーヒーも提供」を得られるという。現在支援拠点は大サンパウロ都市圏で30カ所設置しており、さらに支援拠点拡大に向け取り組んでいくと広報している。