28日、ブラジル経済省が20年度上半期の全就労・失業者台帳(Caged)を発表した。1992年にCagedを設立以来「上半期で最悪の結果」となる正規雇用者119万人が職を失ったと発表した。
同省のブルーノ・ダルコルモ労働局長は「ブラジル史上最悪の危機が労働市場へ様々な影響をもたらしている」と述べ強い危機感を示した。各伯字メディアが報じている。
新型コロナウイルスのパンデミックは雇用市場に悪影響をもたらしており、上半期に最も多い失業者数を出した4月は91万8千人の正規雇用者が失業し、5月には35万人、6月に1万9千人もの正規雇用者が失業しているという。
ただし4月以来、解雇者数は大幅に激減していることから、同省のブルーノ・ビアンコ社会保障労働特別局長は「国内経済は回復しつつある」と指摘。上半期には790万人の失業者に対し新規雇用者は670万人が登録されたという。
6月中の雇用状況を業界別で比較すると、サービス業で4万4800人、貿易は1万6600人が解雇された。新たに雇用があったのは農業で3万6800人、建築業界の1万7200人となっている。
農業を初めとする、畜産・林業・漁業・養殖業などは新規雇用を再開しており合わせて6万2633人の正規雇用を創出している。
正規雇用されている人のうち、6月中に解雇された人を地域別に比較すると、サンパウロ州で36万4470人が解雇されており、次いでリオデジャネイロ州18万4928人が多くの失業者を出している。増加となったのはマット・グロッソ州で3565人、アクレ州の1270人の雇用が創出されている。