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≪ブラジル≫パラナ州がロシア製ワクチンで調印?=疑問視の中、知事が強い関心

ロシアのプーチン大統領(Valter Campanato/Agencia Brasil)

 【7月29日一部既報】世界ではじめて政府が認可した新型コロナウイルスのワクチン、ロシアの「スプートニクV」をめぐり、パラナ州政府が強い関心を示して、ロシア政府関係者と接触を続けている。ただし、ワクチン治験データがまったく公表がされない現状から、世界の医学界・学術界から強い疑問の声が沸き起こっていると、12日付現地紙が報じている。
 スプートニクVは、ロシアのプーチン大統領が11日にコロナウイルスのワクチンとして承認したもの。「私の娘もワクチン治験に参加して効用が見られた」と同大統領はワクチンを推奨している。
 だが、このワクチンは、世界保健機関(WHO)に登録こそされているものの、第3段階に達したワクチン6種に含まれておらず、第2段階さえ終わったことになっていない。
 そのため国際的、ロシア国内からも、医療専門家たちから効用が疑問視されている。WHOはワクチンの安全性を確認する意味で、治験を第3段階まで求めており、第3段階は複数の国で数カ月間行われるのが常だ。

 このロシアのワクチンに対し、パラナ州のラチ―ニョ・ジュニオル知事が、同州での実用化に強い関心を示している。同知事はロシアと調印したがっているとされ、12日にもロシア側代表やパラナ州技術研究所などと会議を行っている。
 パラナ州側としては、ワクチンの実用化を2021年には行いたいとしているが、それが実現化するためにはブラジル国家衛生監督庁(Anvisa)の許可が必要となる。だが現時点でAnvisaには申請すら行われていない。
 他方、サンパウロ州政府は治験中の中国製ワクチンに、連邦政府は英国製ワクチンに期待を寄せている。