「世界最大級の熱帯性湿地」でアマゾンに次ぐ大自然を誇る地域として有名なマット・グロッソ州パンタナル。その私有自然保護区の乾いた潅木地帯で大規模火災が発生し、10万8千ヘクタールのうち3分の1が焼失する被害をもたらしている。
11日には火が保護区近くにある地域最大のホテルの敷地内わずか数メートルまで燃え広がったという。7月23日付フォーリャ紙などが報じている。
火災のあった保護区に隣接するホテル「セスク・ポルト・セルカド」は、全142室の客室に430人が宿泊できる規模を有する。ホテルは3月からコロナ禍で実質休業していたが、海軍主導による消火活動計画「パンタナル作戦」の参加者が宿泊していた。月曜日には50人いた従業員のうち20人を避難させている。
炎は敷地内に貯蔵しているLPガス、ガソリン、ディーゼルの燃料タンクの350メートル、太陽光発電設備に僅か数メートルの距離に接近するなど危機的状態にあった。ホテル近くの火は11日に消し止められたが、危機的状態は続き、夜間も消火隊による巡回が行われている。
国立宇宙調査研究院(Inpe)によると、パンタナルでは2020年上半期で2534件の火災が発生しており、昨年の上半期に発生した981件から158%増加していることが明らかになった。