ラヴァ・ジャット作戦で摘発された大物闇ブローカーのひとり、ダリオ・メッセル容疑者が、ラヴァ・ジャット作戦班のリーダー格のジャヌアリオ・パルード捜査官やメディア国内最大のグローボ・グループのマリーニョ一族に贈賄を行っていたとの供述を行っていたことが判明した。14日付現地紙が報じている。
メッセル氏は「ドレイロ・ドス・ドレイロス(ブローカーの中のブローカー)」の異名をとるほど、闇の金融ブローカーの大物として知られた人物。セルジオ・カブラル元リオ州知事の大型汚職に関与したことで有名になった。その同氏がリオ検察局に行った2つの供述が13、14日に立て続けに話題となった。
まず13日、メッセル容疑者が、パラナ州連邦検察のラヴァ・ジャット作戦班のリーダー格だったジャヌアリオ・パルード氏に対し、毎月賄賂を支払っていたという疑惑をCNNブラジルが報じた。
これは1990年代、パラナ州で当時、汚職事件では最大級と呼ばれていた「バネスタード作戦」の際、メッセル容疑者が裏情報提供をするのに加え、逮捕を逃れるために贈賄をパルード氏に行っていたというもの。今年の2月、そのことを匂わす同容疑者と恋人の会話が発見もされていた。今回の証言もこの件について尋ねられてのものだ。
メッセル容疑者によると、パルード氏の弁護士だったアントニオ・アウグスト・デ・フィゲイレード・バスト氏を通じて毎月5万レアル支払っていたとのこと。これが再燃した事に関し、パルード氏は「その件ならすでに連邦検察庁でお蔵入りになった」と言って否定した。
パルード氏は2011年3月のバネスタード裁判で、メッセル容疑者に関して「事件とは関係がない」と弁護人を擁護した記録も残っている。
そして14日には、ヴェージャ誌サイトが、1990年代に、メッセル容疑者がグローボ・グループ社主のマリーニョ一族に対して、5万ドルから30万ドルの賄賂を時折届けていた、との証言を行ったと報じた。
メッセル容疑者によると、同家の中心人物であるロベルト・マリーニョ氏やジョゼ・ロベルト・マリーニョ氏に直接会ったことはないものの、金は彼らを目当てにしたもので、一族のうちの誰かに渡っていたという。
ただし、この供述の際に物証は示されなかったという。同日に放送されたグローボ局のニュース番組「ジョルナル・ナシオナル」でこの件は報じられたが、キャスターのウイリアム・ボーネル氏は「証拠がない」と言って否定した。
だが、グローボ局から日頃、批判報道をされることの多いボルソナロ大統領は15日、この件でグローボ局をからかい「明日のファンタスチコが楽しみだ」と、同氏に批判的な報道番組の名を出して皮肉った。16日の同番組でそのことは報じられなかった。