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≪ブラジル≫中絶10歳少女の実名暴露=極右女性活動家がまた騒動起こす

サラ・ウィンター氏(Twitter)

 叔父に強姦されて妊娠した10歳の少女の実名と中絶手術を行う病院の住所を、極右活動家のサラ・ウィンター氏が公表し、大きな混乱を起こした。17日付現地紙が報じている。同氏は、6月に最高裁に向けて花火を発射して逮捕されている。
 この少女はエスピリトサント州在住で、33歳の叔父から強姦されて妊娠したことが今月8日に報じられていた。強姦行為は4年に渡って続けられていたという。
 この少女は中絶の訴えを起こし、エスピリトサント州の病院では認められなかったものの、裁判所で他州での中絶手術が認められていた。カトリックの影響が強いブラジルでは、基本的に堕胎は違法。ただし、強姦された場合と胎児が無脳症を患っている場合は、合法的な中絶が認められている。

 サラ氏は保守キリスト教信者として「いかなる理由があっても堕胎反対」を訴えている思想の持ち主。その一環として16日、ネットで少女の名前と入院先の病院名を公表し「病院の前でひざまずく」ことを読者に呼びかけた。すると多くの人々がそれを実行に移した。
 だが、未成年の実名や住所を晒すことは、刑法や青少年法で禁じられている行為。すぐにその点を突かれて問題となり、ネット上ではサラ氏への批判が相次いだ。
 サラ氏は6月に起こした最高裁への花火発射事件で逮捕され、釈放された現在も、電子足輪をはめられている状態だ。同氏は連邦警察のフェイクニュース捜査の対象にもなっており、最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事からツイッターやフェイスブックのアカウントも本来なら差し止められている。この件では、警察しか知らないはずの情報が、なぜサラ氏に漏れていたのかも問題にされている。
 なお、少女はすでに中絶手術を終えている。