≪ブラジル≫LJ作戦=航空大手アヴィアンカ社主兄弟を逮捕=造船部門の巨額贈収賄容疑で=4千万レアルの賄賂を渡す?

19日午前、ラヴァ・ジャット作戦が敢行され、航空大手アヴィアンカ社主のエフロモヴィッチ兄弟(ジェルマン、ジョゼ)を逮捕した。ペトロブラス子会社のトランスペトロ社とのあいだに行った、船舶売買に伴う贈収賄と資金洗浄の容疑だ。19日付現地サイトが報じている。
今回の捜査は「ナヴェガール・エ・プレシーゾ」と名付けられたもので、エフロモヴィッチ兄弟の一時逮捕に加えて、6つの捜査礼状が出され、リオ州とアラゴアス州が対象となった。
エフロモヴィッチ兄弟はシナジー・グループの筆頭株主。同グループは国内の航空部門最大手で、南米シェア2位でもあるアヴィアンカ社を経営していることでも知られている。
今回の捜査で問題とされたのは航空部門ではなく同グループの造船部門、エスタレイロ・イーリャ社(Eisa)だ。そこがペトロブラスの運輸部門であるトランスペトロ社との間に起こした汚職に関しての捜査だった。
連邦検察庁によると、この疑惑は、Eisaが船舶の入札の際にペトロブラスとトランスペトロの上層部に対して、4千万レアル(約7億6千万円相当)の賄賂を渡すことで有利に取り計らってもらおうとしていたという。
この計画は2008年に行われ、賄賂の支払いは2009年から13年にかけて行われていたという。
この疑惑に絡んでいるのは、トランスペトロ元社長で現在はLJの証言者となっているセルジオ・マシャド氏だ。同氏によると、この計画は、最初はトランスペトロとEisaのあいだで、「パナマックス号」をはじめとした4隻の石油輸送船の建造に関して2800万レアルの贈収賄工作が行われていたという。
そのあと、さらに8隻の石油輸送船に関して1200万レアルの贈収賄が行われたという。マシャド氏によると、同氏の息子名義でスイスに作った秘密口座を通じて、支払いが行われていたという。
トランスペトロ関係者によると、今回の捜査で判明した疑惑の追求により、同社が受けることになる損害額は6億1100万レアルに及ぶとされている。
LJ捜査班によると、Eisaがトランスペトロに対する船舶提供の契約で得た金額は推定で8億5700万レアルだったのではないかと見ている。
パラナ州クリチーバの連邦地裁はすでに、この疑惑に関連した人物に関する資産を合計額で6億5139万6996・97レアル分の資産を凍結するよう命令を出している。