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≪ブラジル≫緊急援助金12月まで300レアルで延長か=大統領は来週にも暫定令

ゲデス経済相(Fabio Rodriguez Pozzebom/Agencia Brasil)

 ボルソナロ大統領は来週中にも、新型コロナウイルスによる緊急援助金の12月までの支払い延長を定める暫定令(MP)を出すと予想されているが、その額は1回につき300レアルになるのではと報道されている。19日付現地サイトが報じた。
 緊急援助金は最初の3回が600レアル、延長分2回も600レアルで、8月から5回目の支払いが始まる予定。現状の法案ではこれが最後の支払い。
 この対策がボルソナロ政権の人気を押し上げる要因として機能しているため、9月以降の再延長は予想されていた。だが、次回以降の支払額に関しては、300レアルに下げられると見られている。
 この背景には、現状の支援金の連邦政府に対する負担の重さがあげられる。現状の支払いだと、毎月515億レアルの負担が政府にかかっている。パウロ・ゲデス経済相も「600レアルを支払い続ける体力は国にない」との発言している。

 本来なら経済省は、ボウサ・ファミリアに代わる新福祉政策「レンダ・ブラジル」を始めたいが、まだ政策が固まっていない。だから、それを始めるまでの間、支援金を続けることで国民の支持を継続させたい意向があるようだ。
 レンダ・ブラジルでは「ボウサ・ファミリアの毎月の支払い額(190レアル)より高い支払額」が予定されており、予想では250レアルほどになるのではと見られている。
 だが、政府が支援金の延長金額を300レアルにする場合、連邦議会の承認を得なければならない。議会側が「延長する場合は600レアルの支払いが原則」との法令を6月に定めているからだ。
 ただし、ロドリゴ・マイア下院議長は「レンダ・ブラジル」をいま進めてしまうと、歳出上限を破ってしまう可能性が強いとして懸念を示している。