在サンパウロ総領事館に総領事として8月7日に着任した桑名良輔氏(神奈川県、58歳)は17日にオンライン取材に応じ、ブラジル日系社会の役割と世代継承への側面支援を強調し、日系社会との更なる連携強化について「皆さんに早く直接にお会いしたい」と熱く語った。
桑名総領事は前任地メキシコから直接ブラジルへ。現在は政府の感染防止策に準じて到着日から2週間、公邸で自己隔離の最中。21日に初めて総領事館に出勤、同日午後にはイビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑を公式訪問する予定だ。
桑名総領事は1989年頃、在ボリビア大使館勤務時代に年に数回、日本食材を調達に公邸料理人と共にリベルダーデで買い物をした経験があるという。
「当時、ボリビアには日本食を販売している所は少なかったため、食材を調達に来ました。その時、宿泊したニッケイパラセホテルで食べた日本式の朝ごはんの味はとても美味しかったことを今でも鮮明に覚えています」とのこと。
「とにかく大国、多様で懐の深い国だと実感しました。その国に深く根付いている日系社会のエネルギー、活気に驚きと感銘を受けたことを今でも覚えています」との印象を語った。
世界におけるブラジル日系社会の役割について質問すると「着任したばかりでまだ勉強中ですが、世界の日系社会の中でも、規模や社会確立度、成功者数、成功度合い、認知度等、これだけ日本文化が広く深く認められている国は他にはないと思います。ブラジル日系社会がリーダー的役割を担っていくことに期待しています」と語った。
昨今の日系社会の課題に関しては「若手への世代交代の問題など課題が多くあると思います。特に若者に日系意識や日本的価値観などをどのようにして持ってもらうか、色々と解決するべきことがあると思います。総領事館も課題解決に向け大いに協力していきたい。パンデミックが収まったら、地方の日系団体などを早く訪ねたい」と意気込んだ。
桑名総領事は1986年4月に外務省入省。89年は在ボリビア日本大使三等書記官、98年7月に駐米日本国大使館二等書記官、2001年12月に在チリ日本大使館二等書記官、02年4月在チリ日本大使館一等書記官、05年5月に経済局国際貿易課課長補佐、07年G8サミット準備事務局次長、08年8月経済局政策課首席事務官、10年8月国際法局経済条約課条約交渉官、13年8月経済局国際貿易課課長、14年8月在ジュネーブ国際機関日本政府代表部公使。18年9月から在メキシコ日本国大使館公使を務めていた。