19年6月に起きたアンデルソン・ド・カルモ・デ・ソウザ氏殺害に関与したとして、妻フロルデリス・ドス・サントス・デ・ソウザ下議(社会民主党・PSD)をリオ州市警とリオ州検察が24日に起訴、9人を逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
アンデルソン氏はフロルデリス氏や実子、養子らと共にリオ州ニテロイ市に住んで、福音派教会を切り盛りしており、実子と養子合わせて55人の子持ちだった。
アンデルソン氏が殺害されたのは19年6月16日未明で、帰宅直後に忘れ物をしたと言って車庫に戻ったところ、30発以上の銃弾を浴びた。家族はすぐに病院に運んだが、アンデルソン氏は至近距離からの銃撃に耐えられず、こと切れた。
市警と検察は葬儀当日に、実子のフラヴィオ・ドス・サントス・ロドリゲス容疑者を実行犯として、養子のルーカス・セーザル・ドス・サントス容疑者を銃を調達した犯人として逮捕した。フロルデリス氏やその他の家族の供述には矛盾があり、「ルーカス12作戦」という名前で捜査が続けられていた。
同作戦の特捜班によると、アンデルソン氏殺害を命じたのはフロルデリス氏だが、同氏は下議故の不逮捕特権があり、24日の逮捕対象者から外された。だが、裁判所が起訴状を受理し、他の容疑者の逮捕令状を出した時点で、フロルデリス氏は被告となった。
24日に逮捕されたのは、フロルデリス氏の実子を含む息子・娘計5人と孫1人、偽造書類作成に加担して既に逮捕されていた元軍警の妻の7人で、既に逮捕済みで実行犯のフラヴィオ容疑者と元軍警のマルコス・シケイラ容疑にも逮捕令状が出た。今回は逮捕令状が出ていないが、フロルデリス氏とルーカス容疑者が起訴された。
市警によると、フロルデリス氏とアンデルソン氏はフロルデリス氏の名前を冠した団体を作り、活動を行っていたが、同団体の資金も含む金の動きはアンデルソン氏が取り仕切るなど、家庭内で経済力や権力を巡るいさかいがあったという。
そのため、18年の選挙で下議に当選して政界への足掛かりも得たフロルデリス氏は、19年6月の事件の前にも少なくとも4回、アンデルソン氏の殺害を試みていたという。24日の逮捕者の中には、アンデルソン氏毒殺未遂に関与した娘達も含まれている。
フロルデリス氏は殺人や殺人未遂、犯罪組織形成、書類偽造、捜査妨害などの容疑で起訴されている。PSDは24日、フロルデリス氏の党籍凍結を宣言。捜査の行方を見守ると共に、除籍などの処分を行う意向である事も明らかにした。