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《ブラジル》フロルデリス下議に余罪=職員給与返却や縁故採用も

フロルデリス下議(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

 2019年6月に起きたキリスト教福音派の牧師のアンデルソン・ド・カルモ・デ・ソウザ氏殺害を命じた容疑で起訴され、24日に被告となったフロルデリス・ドス・サントス・デ・ソウザ下議(社会民主党・PSD)に関し、リオ州市警とリオ州検察局が、同下議がアンデルソン氏の殺人や殺人未遂以外の犯罪に関与している可能性がある事を明らかにした。
 リオ州市警やリオ州検察局が連邦検察庁や連邦下院に送付した調書によると、フロルデリス氏には、秘書室職員らに給与を返却させるラシャジーニャや縁故採用の疑惑があるという。
 リオ州検察局のセルジオ・ルイス・ロペス・ペレイラ氏は、「我々の捜査目的ではないが、しかるべき機関がしかるべき方法で扱うようにと願って、捜査過程で得た情報を伝えた」と説明した。
 ラシャジーニャには、息子のカルロス・ウビラシ・フランシスコ氏や孫のフロルデリス・ライアネ・ドス・サントス・オリヴェイラ氏が関与していた疑いがある。カルロス氏は2009年2月、下院職員としての給与1万5698・32レアル(手取り1万1733・64レアル)の62%をカットされていたという。ライアネ氏は、月給1万5千レアルとの約束でブラジリアに赴いたが、実際に受け取っていたのは2500レアルのみだった。
 カルロス氏は、アンデルソン氏を毒殺しようとした際、父親の食事にだけ毒が混入するよう仕組んだりした一人だ。
 ライアネ氏は、19年6月に起きたアンデルソン氏殺害計画を具体的に進めるのに協力。殺害の実行役で実子のフラヴィオ・ドス・サントス・ロドリゲス容疑者や、銃調達役で養子のルーカス・セーザル・ドス・サントス容疑者を説得したと見られている。

フロルデリス氏が息子に送ったメッセージ(24日付G1サイトの記事の一部)

 捜査班は、フロルデリス氏がアンデルソン氏殺害を計画した首謀者である事の証拠として、2018年10月に息子のアンデルソン容疑者に送った携帯電話のメッセージなども提示。アンデルソン氏毒殺の試みは少なくとも6~8回繰り返されており、18年末には入院に至った事もあった。
 フロルデリス氏はキリスト教福音派の歌手としてショーなどにも出演。牧師の肩書も持っていたが、教会での行事やイベントなどの企画や収益の全てをアンデルソン氏が取り仕切っていた事に不満を抱いていた。実子や養子、孫などを動かしてアンデルソン氏を殺害させておきながら、強盗殺人事件に見せかけるようにと指示したメッセージなども見つかっている。
 24日に逮捕された息子達はリオ市内の刑務所に収容されたが、供述は拒否しているという。フロルデリス氏の弁護士は25日に同氏のパスポートを提出。26日には、フロルデリス氏の娘達が暗殺者や毒薬に関する情報をインターネットで探していた事がわかったとの報道もあった。(24~26日付G1サイト、24日付アジェンシア・ブラジルなどより)