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《ブラジル》大統領元弁護士に疑惑噴出=食品大手から900万レ受取り=ケイロス氏入院費肩代わりも

ワセフ氏の疑惑を報じるクルゾエ誌(Twitter)

 ボルソナロ大統領一家の弁護士を務めていたフレデリック・ワセフ氏が、食品大手JBSから大金を受け取った疑惑や、別宅にかくまっていたファブリシオ・ケイロス氏の入院費を支払っていた疑惑、企業からの不審な入金が発覚し、注目を浴びている。25~27日付現地紙サイトが報じている。
 大統領長男フラヴィオ上議の元職員で、ラシャジーニャ疑惑のカギを握るとされていたケイロス氏が、サンパウロ州アチバイアにあるワセフ氏の別宅で6月18日に逮捕された時から、同弁護士に対する疑惑は浮上していた。ワセフ氏は当初、かくまっていたことを否定していたが、その後に「ケイロス氏の命が狙われていたから」と前言をひるがえした。
 また、フラヴィオ氏が一家ぐるみで親しくし、今年2月に逃走先のバイア州で警官らに射殺されたミリシアの大物アドリアーノ・ノブレガ氏に弁護士を斡旋した疑いも持たれている。
 そんなワセフ氏に対し、この1週間で新たな疑惑が噴出している。まず、ワセフ氏が2015年から、食品最大手JBS社からの900万レアル(約1億7千万円)を受け取っていた疑惑を、クルゾエ誌が19日に報じた。この件は、金融活動管理審議会(Coaf)の捜査で明らかになっているという。
 クルゾエ誌によると、さらに昨年の10月4日、連邦検察庁のアウグスト・アラス長官の側近のジョゼ・アドニス・カロウ・デ・アラウージョ・サー氏のもとにワセフ氏は駆け付け、JBS関係者が行った報奨付証言について意見をしたという。

 また、ボルソナロ大統領はこれに先立って、ワセフ氏の訪問を受け入れるよう、アラス長官に依頼しており、同社関係者の報奨付証言はアラス長官のもとに5回も差し戻されたという。
 さらに、ケイロス氏が18年12月にサンパウロ市のアルベルト・アインシュタイン病院に癌治療で入院した際、ワセフ氏が担当医のブラジミール・アルフェル医師に1万200レアルを支払っていた疑惑を、グローボ紙が25日に報じた。これもCoafがつきとめた口座上での金銭の動きで明らかになっているという。ワセフ氏はケイロス氏への経済的援助を否定していた。
 グローボ紙はこの日、ワセフ氏が18年12月に、連邦政府と契約を結んでいる企業から230万レアルの現金を受け取っていたことも、Coafの調べで判明したと報じている。
 この企業とは、グローバルウエブ・アウトソーシング社で、同社の経営者はワセフ氏の前妻のマリア・クリスチーナ・ボーネル・レオ氏だ。同社はジウマ~テメル政権の合計4年間で4200万レアルの契約を結んでいた。だが、ボルソナロ政権では19年1月~20年6月の1年半で4160万レアルの契約を獲得していたことが21日に報じられている。また、22日付G1サイトでは、公的機関との契約が禁じられた後も、政府との契約を維持していると報じられた。