最高裁第2小法廷が25日、セルジオ・モロ前法相がパラナ州連邦判事時代に担当したバネスタード事件に関する裁判で、不正に関与したオペレーターと判断された被告に対する罪状を無効にする判断を下した。26日付現地紙が報じている。
バネスタード事件とは、1990年代にパラナ州立バネスタード銀行を中心に起こった事件で、当時、国内最大の公金損害をもたらしたといわれていた。この事件の裁判は2000年代に行われ、多くの被告を裁いたことで名を挙げたモロ氏は、その実績を買われて14年からのラヴァ・ジャット作戦の第1審を担当することになった。
だが、ブローカーのひとりとして有罪となったパウロ・ロベルト・クルグ氏がその裁判手順を疑問視して、「自分の弁護側の最終弁論の前に、原告側のアルベルト・ユセフ氏による証言が行われた」として控訴したため、今回の審理が行われた。
エジソン・ファキン、カルメン・ルシア両判事は、この日の審理でも「問題なし」と判断したが、リカルド・レヴァンドウスキー、ジウマール・メンデス両判事が「判断に偏りがある」として原告側の主張を認めた。この日はセウソ・デ・メロ判事が欠席したため、過半数超えが起きなかったことにより、原告への罪の適用が無効となった。
とりわけ、メンデス判事はモロ氏の裁判のやり方に対し、「原告側の罪の追及に加担するかのような裁判のやり方だ」として厳しく批判した。
バネスタード事件裁判では、後にラヴァ・ジャット作戦で最大規模のブローカーとなったユセフ氏も、かねてからモロ氏に近いとされていた民主社会党(PSDB)の政治家も、ほぼ罰せられていないなどの問題点がかねてから指摘されている。
今回の審理結果から、モロ氏が担当したラヴァ・ジャット作戦の1審裁判、とりわけ、ルーラ元大統領の裁判結果にも影響が出るのではないかとする見方が広がっている。