「天国からこの表彰状を受けとって慶んでいると思います」–―ブラジル日本文化福祉協会(石川レナト会長)が6月に予定していた白寿者表彰式に合わせて、下本八郎元サンパウロ州議(二世、84歳)は独自に敬老金を贈った。白寿者・森西成行さん本人は惜しくも亡くなったが、 次男の森西カルロスさんは冒頭のように代弁した。敬老金が手元に届いた人から、次々に感謝のメッセージや写真が下本氏の手元に届いている。
本来なら6月28日に白寿者表彰式が開催される予定だったが、コロナ禍のために中止となった。しかし、文協からの表彰状、下本氏や宮坂国人財団からの敬老金は27人全員に郵送された。
そのうちの一人、森西成行さんは惜しくも5月24日に亡くなった。息子のカルロスさんは生前の成行さんの様子を、「毎日、壁に吊っているカレンダーを見て、誕生日の6月6日や式典を楽しみにしていたようです」と振り返る。そして「家族一同厚く感謝します」と感謝の言葉を重ねた。8月9日の「父の日」にはイタチーバの実家に方々から家族が集まり、表彰状や敬老金を成行さんの妻幸子さんへ届けて供養したという。
下本さんは「私のような二世、三世がブラジル社会で活躍できるのは、一世の皆さんのおかげ。感謝の気持ちを表したかった」と敬老金を贈った動機を説明し、「一世はブラジル社会で信頼関係の基礎を築いてくれました。そのおかげで我々がある」と感謝した。
本年度の受賞者は全員で27人、該当者は次の通り(五十音順、敬称略)牛越仁(うしこし・まさし、99)太田平沢かず子(おおた・ひらざわ、100、静岡県)大野美佐子(おの・みさこ・98、北海道)カナヤマ・トキ(100、北海道)香林トミエ(こうりん、99、広島県)サイトウ・マツタケ・ヤイ(98、福島県)坂美代恵(さか・みよえ、99、和歌山県)サトウ・ミサオ(100、愛媛県)滋野トヨ(しげの、99)鈴木昌子(すずき・まさこ、99、島根県)瀬川正文(99、長野県)タカハシ・ハル(98、山形県)ドイ・マスエ(100、愛媛県)トヤマ・マサオ(99、沖縄県)長友高生(ナガトモ・タカオ、100、宮崎県)中山実(ナカヤマ・ミノル、99、山口県)樋口愛子(ひぐち・あいこ、99、山口県)ヒノ・トウジロウ(98、島根県)平澤正人(ひらさわ・まさと、99、長野県)堀川隆吉(ほりかわ・りゅうきち、100、広島県)箕輪美保子(みのわ・みほこ、99)森西茂行(もりにし・しげゆき、99、徳島県)ヤマムラ・スヤ(100、二世、サンパウロ)安永忠邦(やすなが・ただくに、99、二世、サンパウロ)山西伊藤玉枝(99、愛知県)湯田康平(99、福島県)和田茂恵(わだ・しげえ、99、高知県)
昨年は39人、一昨年は53人、17年は37人だった。