州内企業が開発したゴミ袋に新型コロナウイルスを含むウイルスを無力化し、感染を防ぐ力がある事を、サンパウロ州立カンピーナス大学(Unicamp)生物学研究所が認めたと23日付現地サイトなどが報じた。
新型コロナウイルスの生存期間は付着した素材により異なるが、プラスチックでは3日経っても生きている事がある。
だが、件のゴミ袋は、素材に混入した成分がウイルスの表面を覆っているタンパク質や脂質を分解し、袋の表面に付着したウイルスの遺伝子構造を破壊するため、人への感染を防ぐ事が出来る。
この成分は新型コロナウイルスとH1N1型インフルエンザウイルス、アデノウイルスのいずれに対しても効力があった。効力の分析は1時間、6時間、24時間、72時間の四つの場合に分けて行われ、いずれの場合も有効性が確認された。
この袋を使用する人はウイルス感染を気にせずに袋の内容物を持ち運べるし、この袋を使ったゴミならば、ゴミの収集者も安心して扱える。
この技術を開発したのはサンパウロ州内陸部に工場を持つ企業で、抗ウイルス性を持つ袋は、他の製品と区別し易いよう、灰色に統一される。同社では、従業員へのコロナ対策の一つとして、従業員送迎用のバスの座席シートにもこの袋を被せている。
この製品の販売は近日中に始まる見込みだが、製品を扱う場所や機関毎にマージン率を決める予定で、価格は未定だ。
同社と同大学は、この技術を新型コロナウイルスに感染した患者に対応する医療現場で使うエプロンなどに応用する事も考えている。