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《リオ市》市長親衛隊が取材妨害=批判的メディアを標的に

クリヴェラ市長(Fernando Frazao)

 マルセロ・クリヴェラ・リオ市長への批判報道を妨害しようとしていた、同市長側近に対する捜査を、リオ市警は1日に行った。同日付現地サイトが報じている。
 今回の捜査は「フリーダム作戦」と呼ばれ、リオ地裁のソライア・ピナ・バストス判事の承認の下で行われた。この捜査では9件の家宅捜索令状が出されたが、逮捕者は出ていない。
 取材妨害をしているのは、「クリヴェラ親衛隊」と呼ばれているクリヴェラ市長の側近たちだ。邪魔をされた報道関係者からの訴えを受けて捜査が始まった。
 グローボ局の番組「RJ2」が報じたところによると、親衛隊のメンバーは、リオ市の医療関係についてマスコミに悪く報じられないためにワッツアップ内でグループを作り、市立病院の入り口付近に陣取って、取材が始まったら妨害する行為を繰り返していた。
 その中のある2人組は実際に、あるメディアの取材記者たちに「悪いことは書くな」と脅しをかけていたという。取材が失敗に終わると、ワッツアップでは祝いの言葉が取り交わされたという。逆に今、その存在自体を報じられてしまったグループは解散するなどしている。

 「親衛隊」の中で、クリヴェラ市長と共に映った写真を最も頻繁に公開しているマルセロ・パウロ・デ・オリヴェイラ・ルシアーノ(通称ML)氏は、1万レアル以上の高給でクリヴェラ氏に雇われている。
 さらに、8月20日放送のグローボ局のニュースでは、2人の男性が女性レポーターの生中継を妨害し、放送中に「ボルソナロ!」と大声で叫ぶなどしていたという。ボルソナロ大統領は11月の市長選でもクリヴェラ市長を応援しており、この件に関与した2人もクリヴェラ市長に雇われていた。
 市警は今回の捜査で、これらの人々の携帯電話やコンピューターなどを押収している。
 検察は同日、同件に関する具体的な捜査を開始。社会主義自由党(PSOL)も同日、市議会にクリヴェラ市長の罷免要請を提出した。